
古代言語はどのように発音されていたのか?その疑問に対する答えをAI(人工知能)が導き出してくれたようだ。
YouTubeチャンネル「エクエーターAI」では、人類の過去の歴史を保存し、それを復活させることで、現代の人々にとってより身近で理解しやすいものにすることを目指しているという。
ここではその一例を聞いてみよう。
AIで古代の言語の音声と当時の人の顔を再現
歴史とは、学術的な研究書だけでなく、建築物や風景、当時を生きる人々の日常の中から学ぶことができる。エクエーターAIチャンネルは、かつて生きていた人々の歴史をAIを使って現代に蘇らせることで、より身近にわかりやすいものにしようと試みている。
古代の人々がどのような言語をどのように話していたのかはとても興味深いことだ。
これらの動画では、中世の英語、アッカド語、シュメール語、古代中国語など、多数の言語が、その言語を話したであろう当時の人々を復元した顔画像と共に紹介されている。
The Sound of Ancient Languages. You Haven’t Seen Anything Like This Before!
The Sound of Ancient Languages (PART 2) You Haven’t Seen Anything Like This Before!
英語の発音が大きく変化した大母音推移
英語を知る人にとって特に興味深いのは、中世英語が現代英語と異なることだ。それは現代の英語の発音とスペルが一致しない理由にもつながる。英語はもともとインド・ヨーロッパ語族の一部であるゲルマン語族によって4~5世紀に現在のデンマークと北ドイツからブリテン諸島に移住したアングロ・サクソン人によってもたらされたものと言われている。
当時の英語(古代英語)の発音と、日本におけるローマ字読みに近い状態で、スペルも一致していた。
ところが15世紀から18世紀にかけて長母音の発音が大きく変化した言語学的な現象があった。「大母音推移」と呼ばれるものだ。
この変化は、中世英語から近代英語への遷移期に起きたもので、これにより中世英語と近代英語(特に現代英語)の発音はかなり異なるものとなった。
大母音推移は主に長母音に影響を与え、短母音にはそれほど影響を及ぼさなかった。
たとえば、中世英語では「house」は「/huːs/」(フーズ)と発音されていたが、近代英語では「/haʊs/」(ハウス)と発音される。同様に、「time」は「/tiːmə/」(ティーメ)と発音されていたが、現代では「/taɪm/」(タイム)」となっている。
もともとローマ字読みだったものが違う読み方に変化したのだ。
このような発音の変化は、英語の読み書き、詩、音楽、さらには文化にも影響を与えた。中世と近代の英語文学作品を比較する際、この発音の変化を考慮に入れることは重要なのかもしれない。
written by parumo