
2019年11月15日からスタートしたYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』が4周年を迎え、それを記念して「THROWBACK with THE FIRST TAKE」と題し、4日連続でこれまでの動画をリリース年代順にプレミア公開する。11月18日15時から公開される動画にSixTONES「Imitation Rain」が選出されている。
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一発撮りのパフォーマンスが魅力の本チャンネルでは、これまで実に様々なアーティストが歌唱を披露してきた。2020年から2023年リリース楽曲の映像を集めたDAY4では、SixTONESを筆頭に、NiziU、Aimer、MAN WITH A MISSIONの名が連なる。「Imitation Rain」は『THE FIRST TAKE』を象徴する楽曲の一つとしてはもちろん、SixTONESのデビュー曲としていまなお色褪せることなく存在感を発揮している。
2022年1月1日22時。『THE FIRST TAKE』の第180回、2022年1本目の配信という節目に初登場したSixTONES。白い背景に6本のマイクだけが置かれたスタジオに姿を見せた6人。ヘッドホンを手に取りながら唇を鳴らしたり首を揺らしたりしながらスタンバイする。
ジェシーが長めに声を出すと、松村北斗も「あーあー」と確かめるように続ける。準備が整った様子の京本大我が柔らかな笑顔を見せると、ジェシーが「いいですか?」とメンバーに問いかける。田中樹が「いいよ」と返したほか、他のメンバーも空気で伝えるようにその場に集中していた。
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動画のスタートから27秒、ジェシーの「よろしくお願いします」から始まる「Imitation Rain」。原曲をよりシンプルに構成、特別にアレンジした音に6人が歌声を重ねる。ピアノの滑らかな音が響くと、そこへヴァイオリンの音色がそっと重なる。どんどん厚みを増していく音にメンバーもリズムを感じながら「Imitation Rain」の世界へと入り込む。温かみと包容力が滲むジェシーの歌唱を皮切りに、京本が物語を伝えるかのようにドラマチックな歌唱を響かせる。ユニゾンでは、6人の歌声が重なるも、くっきりとそれぞれの声が耳に飛び込んでくる。森本慎太郎の甘さをまとった歌声に厚みをもたらす髙地優吾の下ハモ、眉をわずかに動かしながら、迷わず声を発する松村ーー楽曲の高まりと共に、腕や手にも動きが出て、体全体を使って歌唱する6人の姿があった。ラップパートを担う田中からもしっとりとした情緒を感じ、気持ちを込めた歌唱がリスナーの胸を打つ。シンプルだからこそ際立つ6つの音色。SixTONESの歌声に酔いしれる贅沢な6分1秒だった。
2020年1月22日に「Imitation Rain」でデビューしたSixTONES。作詞作曲はYOSHIKIが手掛けた。デビュー前にお披露目された際には、これまでのアイドルグループのデビュー曲のイメージを覆してファンを驚かせた。その後も音楽番組で様々なアレンジを加えて披露してきた楽曲だ。
2022年4月23日放送の『題名のない音楽会』(テレビ朝日系)では「SixTONESとクラシックの音楽会」と題してクラシック界で活躍する同世代の若手奏者たちとのコラボレーションが実現し、その中で箏を取り入れた「Imitation Rain」を披露。そして、彼らの冠ラジオ番組『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)でゲスト出演した際に度々約束を交わしたように、今年4月にはSixTONES初の東京ドーム公演『慣声の法則 in DOME』にYOSHIKIがサプライズ登場。夢の場所で、YOSHIKIのピアノ、そしてドラム演奏と共に夢のコラボが実現した。
またとないデビュー曲として君臨しながら、様々なアレンジによって音楽の面白さを教えてくれた。この先10年、20年と「Imitation Rain」がどんな風に深みを増して熟成していくのか、そんな面白さと魅力を持った楽曲だ。
『THE FIRST TAKE』では「Imitation Rain」のほかに、2022年1月12日に発売の2ndアルバム『CITY』に収録の「Everlasting」も披露している。「Imitation Rain」のパフォーマンスと比べるとメンバーはやや緊張がほぐれた様子で挑み、また違った雰囲気を醸しているのも魅力だ。他に類をみない、チャンネル特有の緊張感に包まれた中でこそ感じる、SixTONESの歌唱力と表現力。彼らの音楽を目で耳で、感じてみてはいかがだろうか。
(文=柚月裕実)