
世界一危険な鳥としてギネス記録にも認定された鳥がいる。飛べない鳥でありながら、長距離を時速50kmで走ることができ、非常に殺傷能力の高い爪を持つヒクイドリだ。
そのヒクイドリが優雅に海を泳いでいる姿が目撃された。
頭だけ出して泳ぐ姿はまるでネッシー。でももしかしたらネッシーより遭遇すると怖いことになるのかもしれない。
World’s ‘most dangerous’ bird captured swimming to Australian beach
ヒクイドリが海を泳ぐ珍しい姿を目撃
オーストラリア北部、クイーンズランド州のビングル・ベイにて、世界で最も危険な鳥と言われているヒクイドリが泳いでいる姿が目撃された。地球上では2番目に重い鳥類(一位はダチョウ)で、最大体重は85kg、全高190cmになるヒクイドリは、濡れた体が黒っぽく見え、海にたたずむ姿はまるでネッシーのようだ。

ヒクイドリが海を泳ぐことはめずらしいという。
クイーンズランド州立公園野生動物サービスのスティーブン・クラウ氏は、「この動物がどれくらい水の中にいたのか、なぜ泳いでいたのかは不明だが、この映像は驚くべきものだ」と述べている。

ヒクイドリが怖い理由
ヒクイドリ科ヒクイドリ属は主にニューギニア島とオーストラリア北部の熱帯雨林の低地に生息しており3種が知られている。単独もしくはペアで行動する。ヒクイドリは雑食性で、主に果実や植物の種子を食べているが、小型の哺乳類の死骸や昆虫、甲殻類なども食べる。
長い強靭な脚と大きな黒っぽい羽毛に覆われた体を持ち、頭部から頸部にかけては羽毛がなく、鮮やかな青緑色をしている。
喉からは赤色の肉垂(にくすい)が垂れ下がっており、骨質の茶褐色のトサカがある。

ヒクイドリが人間に恐れられている理由は、強力な脚と鋭い爪で重傷を負わせることがあるからだ。
通常は人間や他の動物に対して攻撃的ではないが、脅威を感じた場合やテリトリーを侵されたと感じると非常に攻撃的になる。特に繁殖期にはその傾向が強まる。
巨大なヒクイドリの強力な脚力で蹴られると、ナイフのような鋭さを持つ長さ12cmにも及ぶ大きな3本の爪が体に食い込み、一撃で肉を切り裂いてしまうほどだという。

とにかくヒクイドリを怒らせない方が良いことだけはわかっただろう。
生態系では重要な役割を果たしている
だがそんなヒクイドリも生態系においては重要な役割を果たしている。彼らが果実と一緒に飲みこんだ種子は糞と共に排出される事で芽吹き、ヒクイドリの移動とともに広範囲に種子が散布され、森林の環境を維持するのに役立っているのだ。
written by parumo