
2つの高層ビルの間の金属に命綱だけでぶら下がる作業員。先日ブラジルのサンパウロの建設現場で起きたおそろしい事故の様子だ。
高さおよそ140メートルのツインタワーの建設中、連絡橋部分に渡してあった足場が急に崩れ、そこで作業していた作業員らが宙づりになったのだ。
そのうち1人は転落して死亡。残る7人が安全のため着けていたハーネスの命綱だけで金属の骨組みからぶら下がったまま、なすすべもなく取り残された。
すさまじい崩落音の直後に起きた戦慄の光景。一時あまりの高所にパニックに陥る作業員もいたが、まもなく到着した救助隊によって7人は救出されたという。
Scaffolding Collapse Leaves Workers Dangling 500 Feet in the Air
高さ140メートル。高層ビルの足場が崩れ作業員が宙づりに
ブラジルのサンパウロで先月17日朝、建設中の2つの高層ビルの連絡橋部分に渡してあった足場が突然崩落した。そこで作業中だった作業員8人のうち、1人はまもなく転落して死亡。残る7人が安全ハーネスの命綱にぶら下がったまま、気が遠くなるような高所を耐えしのぐ事態となった。

2つのビルはいずれも高さ140メートルほどもあり、作業員の中には命綱のケーブルにしがみつきながらパニックになる者もいたという。
7人全員が救出されるもうち1人が救急搬送
その後ただちに消防車10台と警察のヘリコプター1機が現場に向かい、到着した隊員が7人の迅速な救助にあたった。急きょ現場のクレーンが使用され、慎重な作業で全員がその場から救い出されたが、うち1人は身体的な苦痛を訴え、救急搬送されたという。

数分間宙づりに耐えていた7人の作業員
作業員が宙づりに耐えていた正確な時間は不明だが、10月19日付けの現地メディアによると、その様子を見守っていた近隣住民で理髪店を営むリディアーヌ・ディアスさんが「崩壊から数分」でクレーンに救助された、と語っていた。すごく大きな音がして、大量の落下物がありました。構造物が倒れたんでしょう。建設現場内のことなので、がれきがどこに落ちたかまではわかりませんでした。ブラジル・アマゾナス州のニュースサイトのXアカウントより
Andaime desaba de edificio e operarios ficam pendurados em Sao Paulo; um morreu pic.twitter.com/DZOZ5pWjEj
— Portal do Holanda (@portaldoholanda) October 18, 2023
建設業者は追悼と遺憾の声明を発表
2つのビルは2025年完成予定の33階建てのツインタワーだが、このプロジェクトを請負った建設会社 EZTEC は、亡くなった作業員への追悼とともにこの事故を遺憾に思うとの声明を出した。安全設備があったにもかかわらず、悲しい事故が発生しました。亡くなった作業員の方にお悔やみ申し上げます。当社は管轄当局からのすべての勧告に従うつもりです。なお事故当時、現場作業員は全員ハーネスを装着していたという。
崩落原因や責任者の特定は、引き続きサンパウロ州保安局とブラジルの監督規制組織が調査にあたっているが、作業員死亡ならびに作業員の命を脅かす事態を招いた今回事故は、建設業界でのより厳格な安全対策が問われる深刻な事例の一つになるだろう。
References:msn / mirror / portalmieなど /written by D/ edited by parumo