
医学部医学科卒の綿谷もも氏は、受験に挑む前に「医学部受験の当たり前」を再確認しておくことが大切だといいます。なぜなら、医学部受験の失敗例を分析してみると「当たり前のことができていないから合格できなかった」というケースであふれているからです。綿谷氏が現役医大生時代に刊行した著書『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』(監修:高梨裕介氏)より一部を抜粋し、見ていきましょう。
勉強には、絶対に守るべき「原理原則」がある
勉強法には絶対に守らなければならない原理原則があり、勉強ができる人・成績を伸ばす人は例外なく原理原則を守っています。
一生懸命勉強しているつもりなのに成績が伸びてこない場合は、上滑りを起こしているなど戦略面で失敗している、もしくは勉強方法の原理原則を守れていない、のどちらかと考えてよいでしょう。
一方で細かい勉強方法は人によって様々です。例えば、暗記の仕方ひとつ取っても医学部合格者それぞれが異なる方法を取り入れているはずです。
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大切なのは枝葉の方法論ではなく、原理原則を守っているかどうかです。原理原則ができていない状態で自己流の工夫を重ねたり、枝葉のコツだけを真似しても成績を伸ばすことはできません。
【例】単語や文法の習得が不十分なまま「デキる人の英語長文の解き方」を真似しても…
具体的な例で考えてみましょう。「英語の長文問題ができなくて悩んでいる」という受験生が、英語が得意な人に速読の方法や長文読解を説明してもらう、という状況を思い浮かべてみてください。
相談を受けた英語が得意な人は、長文を読むために色々な工夫をしており、その工夫をひとつひとつ丁寧に教えてくれました。
長文を読んでいる時の印の付け方、文の区切り方、緩急をつけて文章を読む方法、選択肢の吟味の仕方、長文の内容を要約するときのコツなどを懇切丁寧に教えたとします。
それを聞いた英語が苦手な人は、「この方法を実行すれば英文が読めるようになる!」と喜び、次のテストでそのやり方をそっくり真似してみました。
さて、この人は英語の成績が上がったと思いますか?