最近「文学フリマ」というものの噂が定期的に聞こえてくる。文学よりもアニメやマンガに馴染みのある私(中澤)の耳にも届くくらいだから界隈では盛り上がっているのかもしれない。文学のコミケみたいな感じなんだろうか。
と思っていたら「行こうぜ」と誘われた。最後に小説を読んだのは10年くらい前の私が行っても楽しいものだろうか? とは言え、入場料も無料だったので2023年11月11日に開催された『文学フリマ東京37』に行ってみた。
・駅から感じる熱
会場は東京流通センター。最寄り駅の東京モノレール流通センター駅で降りると、降車の人波がホームで行列になっておりなかなか改札を出られない。これ全員文学フリマの客なのだろうか?
半信半疑だったのだが、その行列はほぼそのまま駅目の前の流通センター入口まで続いていた。41歳である私くらいの年代の人はともかく、若い人が結構いることに熱を感じる。
・肌で感じた盛り上がり
会場は第一展示場と第二展示場の2つがある様子。まずは第一展示場であるセンタービル2階に行ってみたところ、ABCDホールを全使用した会場にズラーっとブースが並んでいる。しかし、人で奥まで見通せない。スゲエ!
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素人ながら新たな何かの産声を聞いた気がしてテンションが上がった。冊子によると、東京流通センターでの開催は2011年以来続いているが、全ホールを利用するのは今回が初めてなのだという。全然産声ではなかったことはさて置き、キャパシティを越える出店申込があり今回はやむを得ず抽選になったらしい。
そういう事情もあって開催コストも増加しているため、東京開催については一般来場者の入場が有料になる予定なのだとか。ちなみに、2024年12月1日開催予定の「文学フリマ東京39」の会場は東京ビッグサイトと書かれている。
また、2024年は全国8カ所の開催とのことで、個人的に感じた熱だけではなく実際に拡大していることが伝わってきた。今回の2つの会場のブースにおいても、そんな拡大っぷりが感じられる。
・出店者の熱
「文学」と聞くと私のような素人は純文学的な活字をイメージしてしまうが、詩や自作マンガや同人誌、アニメの考察などブースは極めてごった煮だ。各々独自の道を研究して発表しているインディーズ感が非常に良い味を出している。
例えば、第二展示場にあったブースでは「大阪大学萌研究会」がZINEを売っていた。立ち読みOKだったので内容を見てみたところ、同人作家ねことうふ先生へのインタビューや171人のオタクに萌えについての意識調査を行うなど、意欲的だ。
大阪から参加しているという彼ら。話を聞いてみたところ、出店は2回目で今年からの参加なのだとか。拡大と熱を感じる話である。