
道を歩くだけで近所の猫ズが駆け寄ってきて、挨拶をしてくれるなんていうシチュエーションは、猫好きには悶絶たまらない光景だ。
アメリカのワシントン州タコマに、猫の気持ちを読み取れる、キャットウィスパラーな男性がいる。彼は地域に住む猫ズとの日々の交流をSNSでシェアしているが、これまでに150匹ほどの猫ズと出会い、親睦を深めているそうだ。
猫たちはなぜか男性に吸い寄せられているようで、その要因はやはりヒゲか、ヒゲメンだからか?それにしてもなんともうらやまけしからん猫ホイホイ…いや猫ジゴロだ。
Guy Has Met 150 Cats Walking Through His Neighborhood | The Dodo Cat Crazy
寄ってくる猫たちと交流する男性
ワシントン州タコマに住むクリス・ワトソンさんは、2020年の夏からキャットウォークを始めた。といっても、モデルが歩くステージ上のランウェイではなくタコマの路上だ。
クリスさんのキャットウォークとはすなわち「猫友と出会うお散歩」で、この地域に引っ越して以来、出会った150匹ほどの猫ズ全員と猫友なんだそうだ。
在宅ワークなので、2020年の夏にパートナーが外に散歩に出たらと提案したことがキャットウォークの始まりになりました。猫ズもクリスさんが大好きなようだ。猫たちは、クリスさんの姿を見ると四方八方から駆け寄ってくる。
私は小さいときから、周りに猫がいつもいる環境で育ってきました。父親が家の隣に店を構えていて、いつも店には猫がいたんです。
猫はとても自立していて、しかも友好的なので、ペットの中で一番好きです。
行く手に高いフェンスや道路があっても、猫たちはクリスさんのもとへ走ってくるのだ。

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知らない間にNNNのターゲットになっていた?
まるで生きたちゅ~るのような存在のキャットウィスパラーは、猫友に会うたびに「撫でて」とせがまれ、擦り寄られる。クリスさんは今の地域に引っ越したとき、近所のあちこちに猫がいるのを見てうれしくなったそうだ。
私たちは近所に猫がたくさんいることを発見し、同じ道や同じルートを歩いては猫を撫でていました。自身のTikTokアカウント「Catluminati(キャトルミナティ)」であらゆる猫ホイホイぶりを見せつけているクリスさん。
TikTokが流行り始めていたので猫との動画を投稿したら、一気に注目を集めるようになりました。
TikTokで動画を見る
ん?ちょっと待って。キャトルミナティはキャット+イルミナティをくっつけた言葉で、つまりは猫の秘密結社という意味、それってまさかのNNN(ねこねこネットワーク)じゃないか。
猫たちは多分私について秘密会議をしていると思うんですよ。だから、自分のTikTokアカウントをCatluminatiと名付けたんです。やはり、クリスさんは国際組織NNNのターゲットとなっていたようだ。

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勝手に名付けたニックネームで呼ばれている猫も
クリスさんにこれだけ多くの猫ズが寄ってくるのは何か理由があるからだと思ったが、やはり秘密結社の動きがあったからに他ならない。むしろ選ばれたクリスさんは、出会う猫ズの名前においては首輪がついていればそれで確認して覚え、たまに飼い主が出てきて教えてくれれば教えてもらって覚え、出会うたいていの猫の名前はいつも頭にインプットしているという。
でも名前がわからない猫は、勝手に自分でニックネームをつけて呼んでます(笑)一般的に猫は個性豊かで知られているが、クリスさんが出会う猫ズも実にいろいろだ。
フワモコの黒猫 “ナップタイム”はクマのように豊かな毛並みをしている。
飼い主が1週間ほど留守にするとブラッシングをしてもらえないナップタイムの被毛は、すぐに汚れで固まってしまう。
そうなると飼い主はナップタイムの被毛を剃ってしまうようだ。胴体の毛がすっかり刈られて奇妙な姿になったナップタイムに笑いながら、クリスさんは撫でを繰り返す。
スニッカーズと呼ばれている猫も尻尾をピンと立ててクリスさんに近寄り、撫でてもらうと喉をゴロゴロ鳴らす。
猫たちは高いフェンスがあっても、それを飛び越えて駆け寄ってくる。
カンガルーキャットというニックネームの3本足のホッピーも喜んでやって来る。みんなクリスさんに撫でてほしいのだ。

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クリスさんによると、出会う猫たちは室内飼いで外にも放されているので、普段は庭にいて、家からあまり遠くには行かないそうだ。
だが、クリスさんの姿を見るとどの猫も一目散にやってくる。カウ・メリーもその1匹だ。
カウ・メリーは鳴き声をあげてお尻を向けると、いつものポーズで「撫でれ」とせがむ。

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カウ・メリーはとっても愛情深い猫です。撮影して撫でてやると、そのまま歩いて行ってしまう猫もいるけど、だいたい猫たちは数分間一緒に座ってそばにいてくれるんです。少しでも一緒にいたいと思ってくれる猫たちに、いつもめいっぱいの愛情のお返しをするクリスさん。そんな交流の光景がシェアされた動画は、どれも心温まるものばかりだ。
なかには抱っこさせてくれる猫もいますよ。
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地域で有名になったクリスさん
天気がいい日は1日10匹、多い日で24匹ほどの猫ズにあうというクリスさんのことをもはや界隈で知らない猫はいない。そして、今や地域の飼い主たちの間でもクリスさんはちょっと知られる存在になっている。
私を見かけた人が、「あ、あの猫男の人よ」「あら、ちょっと私の猫に会ってやってよ」などと声をかけられては猫を紹介されるという。

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近所の住人たちと猫を介して友好な人間関係を築くことができるのはうれしいことだとクリスさんは語る。
地域でできた友達も、猫を通して仲良くなった人たちばかりなんです。クリスさんのすごいところは、猫だけに留まらないというところだ。
時には犬やリス、ニワトリやアヒルなどあらゆる動物たちがクリスさんに近寄ってくる。

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きっと彼には動物たちが安心できる何か特別なものがあるのかもしれない。だが、あくまでも彼の散歩は猫ズとの交流だ。
毎日の散歩がとても楽しみだというクリスさんは、このように話している。
たくさんの猫たちに毎日会える地域に住んでいるなんて、ほんとうに夢のようです。
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人生を変えた1匹の猫との出会い
クリスさんはSNSで「猫友の中でお気に入りはどの猫?」と尋ねられるそうだが、出会う猫すべてが好きで、特にお気に入りはいないそうだ。というのも、キャットウォークに出て新しい猫に出会うと、その日一番のお気に入りになるんです。平等に猫友への愛情をシェアするクリスさんだが、1匹だけ彼の人生を変えたといってもいい猫との出会いがあったようだ。
でも、みんなそれぞれの個性が違っていて、みんな大好きなんです。
ある日、路地に住んでいる痩せ細ったオス猫を見つけたんです。
肩に乗せるとゴロゴロ鳴いて顔をすり寄せて来ました。家に連れ帰り自分のペットにしたんですが、今では彼はすっかり家の中で王様のように甘やかされて暮らしていますよ。
私たちはその猫をキングスキャンパーと呼んでいます。
階段の上に座ると、キングスキャンパーはすぐに1階から階段を上って駆け寄って来て私の膝の上に乗りたがります。

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クリスさんはキングスキャンパーをことの他かわいがっている。この猫こそNNNが派遣した猫に違いない。
キスをせがむのが上手な甘えん坊なキングスキャンパーに、今日もデレデレなクリスさんなのである。
References:Guy Has Met 150 Cats Walking Through His Neighborhood | The Dodo Cat Crazy/ written by Scarlet / edited by parumo