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日銀による金利操作「イールドカーブ・コントロール」の副作用…これからが怖い「市場への影響」とは【日銀出身のCFPが解説】

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主要な先進国の中央銀行が相次いで「利上げ」を行うなか、日銀は超低金利を維持しており、世界的にみて異例の金融政策をとっています。長引く経済停滞に対処するためですが、長期にわたって継続することには副作用もあります。かつて日銀で景気動向調査、金融業務、決済システムの開発に携わった経験をもつCFP・小松英二氏の著書『はじめての金利×物価×為替の教科書』(ビジネス教育出版社)から、一部抜粋して紹介します。

金融政策を決めるのは日銀の「金融政策決定会合」

まず、日銀の金融政策がどのように行われているのか、説明しましょう。

日本銀行の最高意思決定機関は「政策委員会」です。政策委員会のメンバーは、総裁、副総裁(2人)および審議委員(6人)の計9人、いずれも国会の衆議院および参議院の同意を得て、内閣が任命します。

任期は5年で、再任されることもあります。9人が1票ずつ議決権をもち、多数決で金融政策の運営方針等を決定して、日本の金融政策の舵取りをします。

政策委員会の金融政策決定会合は、2016年から1月、3月、4月、6月、7月、9月、10月、12月の年8回開催され、次回会合までの金融政策の方針(金融市場調節方針)を決めます。政府の行う経済政策とも関係してくるため、内閣府と財務省の代表が政府からオブザーバーとして出席します。政府代表はあくまでオブザーバーなので投票権はなく、議決の延長を要請できる議決延長請求権だけが与えられています。

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政策委員会がこのように強度な独立性を与えられているのは、政府から独立して中立的・専門的な判断を行えるようにするためです。

経済の活性化を企図した日銀の「マイナス金利政策」だったが…

日銀の金融政策は2013年に大きな転機を迎えました。それ以降の金融政策の要点を振り返ります。

日銀は2013年1月、デフレからの脱却を目指して、物価安定目標を2%とする「インフレターゲット」を導入しました。さらに同年4月に大規模な金融緩和政策「量的・質的金融緩和」を導入しました。

内容は、金融政策の操作対象をそれまでの金利(無担保コール翌日物金利)から資金供給量(マネタリーベース)の「量」に変更してこの供給量を増加、さらに「質」にも配慮して長期国債を買い入れることや、上場投資信託(ETF)等のリスク性資産の買い入れ額を拡大するというものです。

その後日銀は、2016年1月の金融政策決定会合において「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入しました。

日銀のマイナス金利政策は、「日銀に開設した金融機関の当座預金口座」の一部にマイナス0.1%を適用し、短期金利を抑えるものです。金融機関が日銀に資金を預けたままにしておくと、逆に金利を支払わなければならないようにします。口座管理料のようなイメージです。

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