
漫画家が日々SNSで公開している創作漫画には、商業誌での掲載を前提としない前衛的な作品も多い。X(旧ツイッター)上で11月上旬に公開された読切漫画『夢の話』は、目まぐるしい展開に浮遊感と脈略のない刺激が混在しており、刹那的に生きる少女の姿に儚さを感じてしまう作品だ。
(参考:漫画『夢の話』を読む)
本作を手掛けたのは、会社員として働きながら漫画を制作しているというさいとう林子さん(@konakusoyarou)。タイトルの通り、自分が見た印象的な夢をモチーフに制作したと言う本作について、じっくり話を聞いた。(望月悠木)
■実際に夢に出てきた話
さいとう:私は眠りが浅いのでほぼ毎日夢を見るのですが、たまに印象的な夢を見ることがあるのです。
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――では本作はさいとうさんが見た夢を漫画化した、と。
さいとう:そうです。当時……というか今もですが、ミュージカルの鑑賞にハマっていました。また、個人的な興味でトー横界隈、パパ活、ホス狂いについてよくニュースを調べていた時期でもあり、それらが混ざってあのような夢を見たのだと思います。
――登場人物も夢に出てきた人物をそのまま登場しさせたのですか?
さいとう:いえ、夢をそのまま描くと荒唐無稽すぎるので、主人公は読者目線を持てるように若干脚色しました。ただ、自分が見た夢なのでJKとおじさんは曖昧です。
――「主人公=さいとうさん」という解釈で良いですか?
さいとう:その解釈でも良いですし、誰でもない人として解釈しても良いと思います。夢は客観的になったり主観的になったりするので、明確に「あれは自分自身の姿」とは言えないです。