top_line

【クイズ】日本初の映画。観客が観たスクリーンではないモノって?

迷ったら「縁」を感じるほうを選ぶ。枡野俊明さんが教える、禅的思考で”今を生ききる”方法

BOOKウォッチ

リセットする習慣(明日香出版社)

「やる気が出なくてあせる」
→「期日までにできないのではないかと不安になる」
→「できない自分がイヤになる」
→「このままでは自分の居場所がなくなるのではないかと疎外感を覚える」……

 こんな”ネガティブ・スパイラル”に陥ることはないだろうか。ネガティブな感情は、放置しておくと、別のネガティブな感情を呼び込む。心軽やかに生きている人は、ネガティブな気持ちを自ら「リセット」できる人だという。

 住職の枡野俊明さんは、禅の教えをわかりやすく説くことに定評があり、著書の累計発行部数は290万部超。新著『リセットする習慣 やり場のない感情を整える62のヒント』(明日香出版社)では、”禅”の思想を切り口に、気持ちをリセットする方法を紹介している。

『リセットする習慣 やり場のない感情を整える62のヒント』枡野俊明 著(明日香出版社)
「禅の教えの根本は、”今を生ききる”です。『今』この一瞬が絶対的な存在である、と考えます。そして、「今」という瞬間が積み重なって、一生が築き上げられるというわけです。過去とも未来とも切り離された、この日、この瞬間を、『今しかない』と思って生きるのが、禅的な生き方です。それはまさに、一瞬一瞬、新しい心にリセットすることなのです。」

「リセットする習慣」を取り入れることで、心軽やかに、自然体で生きられるようになるという。あのときああしておけば……こうなったらどうしよう……という後悔も不安も削ぎ落とし、「今」にピントを合わせて生きるには、どうしたらいいのだろうか。本書からそのヒントを2つ紹介しよう。

一つひとつ、できることをコツコツと。
――結果自然成(けっかじねんになる)

 世の中には、自分の頑張りでどうにかなることと、どうにもならないことがある。どうにかなることは、やりようがあり、もしダメだったとしても、その理由がわかるから納得がいく。一方、新型コロナウイルスのパンデミックなど、自分の頑張りでどうにもならないことは、永遠に続かないとわかっていても、いつ収まるのかわからなくて不安になる。

広告の後にも続きます

 不安の正体は、やりようのないこと自体ではなく、それがいつ収まるのかわからないことだと、枡野さんは言う。

「やりようのないことは、まずは受けいれるしかありません。そんなあきらめも大切です。受けいれると、なぜか心が軽くなります。心が軽くなれば、自分が今やるべきことは何なのか、できることは何なのかが自ずと見えてきます。それにコツコツと取り組めばいいのです。」

 中国に禅を伝えた初祖・菩提達磨(ぼだいだるま)の教えに、「一華開五葉 結果自然成(いっけごようをひらき けっかじねんになる)」というものがある。一輪の花から5枚の花びらが開き、やがて自然に実をつける――。これは「あせらずに一つひとつできることをやっていれば、かならず結果はついてくる」という意味だという。

今やっていること以外は、すべて”妄想”にすぎない。
――莫妄想(まくもうぞう)

 日常的な場面から人生を決定づける場面まで、私たちは選択の連続のなかに生きている。選択とは1つを選ぶことのようで、じつは「AよりBのほうが……」と比べること、ものごとを対立的にとらえることでもあると、枡野さんは言う。

 禅語の「莫妄想」は、「妄想することなかれ」という意味。禅における妄想は、心を縛るものすべてを指す。禅では「今やっていること以外はすべて妄想である」と考え、「今」に集中していれば妄想は断ち切れるという。

 じつは、この妄想を生み出す大本にあるのが、ものごとを対立的に考える思考。生死、愛憎、美醜、貧富、損得、優劣、好悪……と、対立的にとらえることで妄想が生まれ、それが心の雑念に。

「目の前のことだけに集中していれば、妄想の出番はありません。あれこれ考える暇がないのですから。」

 ちなみに、AとBのどちらかを選ばざるを得ないとき、枡野さんなら”縁”を感じるほうを選ぶそうだ。すると、困難なことがあっても、いい方向に展開することが多く、もしうまくいかなくても、悔やまないのだという。

  • 1
  • 2
 
   

ランキング(読書)

ジャンル