11月12日、交通系YouTuberの「スーツ」(登録者数109万人)が「ガッツchのせいで鉄道系YouTuberは営利目的で撮影禁止になったのですか?これについて」と題した動画を投稿しました。
JR東日本、私人逮捕YouTuberの件を受けて営利目的の撮影禁止の姿勢を示す
最近YouTubeでは、痴漢や盗撮といった犯罪行為を見つけて私人逮捕する動画を投稿する、“自警団系”と呼ばれるYouTuberが賛否両論となっています。「ガッツch」(同26万人)が先月28日に公開した「【階段から転落】忍者のような身体能力と不屈の精神を兼ね備える痴漢に実力行使した」(現在は非公開)では、逃走した男性が階段から転げ落ちるシーンがあり、幸い巻き込まれた人はいなかったものの、大きな批判を集めました。
こうした中、「弁護士ドットコムニュース」がJR東日本に取材を実施。JR東日本は「私人逮捕系YouTuber」の活動について、「周囲のお客さまに危険が及ぶ行為など、駅や車内の秩序を乱す行為はおやめいただきたく存じます」と答え、映り込みによる肖像権やプライバシーの侵害への懸念からも、個人の営利目的の撮影を禁止する姿勢を明かしました。
今まで明言されていなかったのは、大きな問題を起こしていなかっただけ
JR東日本の声明を受け、スーツは11日にコメントを発表。自身がJR各社と繋がりのあることを示唆した上で、変わらず動画投稿を続けていく方針を示しました。今回の動画は、JRへ問い合わせが増加するのを懸念して、「出来ることがあれば」という気持ちで公開したとのことです。
スーツはJR東日本が収益目的の撮影を禁止と姿勢を示したことについて、「東日本旅客鉄道のような大きな会社に『(撮影しても)いいですか』って聞いて、『はい、良いですよ』とか、言えるはずがない」とコメント。社会は“阿吽の呼吸”で回っているとし、これまで特に禁止されていなかったのは、あくまで安全運行上の大きな問題を起こしてこなかっただけだと述べました。
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また映り込みによるプライバシーの侵害については、撮影で映ってしまうこと自体は法律に触れないため、スーツ自身も以前は配慮をしていなかったとのこと。しかし第三者が映り込んだ動画をそのまま公開することで、運転手の気分を害し列車の安全運行に支障をきたしたり、乗客からの苦情で鉄道会社に負担をかけることを懸念して、配慮をするようになったと話しました。
今回、JR東日本が「他のお客さまが映るような撮影、またその動画の公開についてもおやめいただきたく存じます」としたことから、スーツも「(他の乗客が)映らないように撮ったりとかやってみると良いんじゃないかと思います」と呼びかけました。
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