top_line

あなたの語彙力が試される!
無料ゲーム「ワードパズル」で遊ぼう

『ブギウギ』茨田りつ子は菊地凛子にしか演じられない? 朝ドラで生み出す“スター像”

Real Sound

『ブギウギ』写真提供=NHK

 ときに浮き足立ちながら、またあるときには苦戦しつつ、東京での活動に励んでいるスズ子(趣里)。放送中の朝ドラ『ブギウギ』(NHK総合)では新章がスタートし、お茶の間の誰もがスズ子とともに新しい環境を楽しんでいることだろう。

参考:『ブギウギ』CPが絶賛する草彅剛の弾けぶり 「トゥリー、トゥ、ワン、ゼロ」誕生秘話も

 そんなところへ、“ブルースの女王”としてついに菊地凛子が現れる。国際派スターの登場は、本作に何をもたらすのだろうか。

 スズ子は東京の「梅丸楽劇団(UGD)」の立ち上げ公演に参加するため、慣れ親しんだ大阪の町と「梅丸少女歌劇団(USK)」に別れを告げ、後輩の秋山美月(伊原六花)とともに上京してきた。新しい環境で経験することの数々に刺激を受け、著しい成長を遂げているところである。そうしてやがて、旗揚げ公演の幕が上がるーー。

 本作で菊地が演じるのは茨田りつ子という人物。かつて“ブルースの女王”と呼ばれた淡谷のり子をモデルとしたキャラクターで、彼女が歌う「別れのブルース」をラジオで聴いたスズ子は感銘を受け、やがてふたりは生涯のライバルとして芸能の世界を生きていくことになるらしい。

広告の後にも続きます

 第1話にワンシーンのみ登場していたが、あの光景はもっとずっと先のもの。けれども将来、スズ子とりつ子が特別な関係になることは十分に分かった。これからその過程を埋めていくわけだが、あの関係に至るまでにどのようなやり取りが繰り広げられるのか、とても気になる。いまのところ、りつ子という存在は謎に包まれているのだ。

 本作の公式ガイド『連続テレビ小説 ブギウギ Part1』(NHK出版)にて菊地は、淡谷のり子という偉大な存在を非常にリスペクトしていることを明かしたうえで、「淡谷さんは、軍歌は歌わないという信念を貫いた方。その強さの一方で、やっぱり表現者なのでちゃんと誰かに寄り添える心持ちの方だったと想像しています。強いだけでなく、いろんなことを思いやれる、理解できる心のひだがすごくすてきなんです」と述べている。この役を演じる菊地だからこその、淡谷のり子に対する視点があるようだ。

 さらに菊地は、「そんな方がモデルだから、りつ子にも歌手として大変な時期を過ごす中で、スズ子と手をつなぎたいような気持ちになる瞬間があったんじゃないかなと想像しています。その感情や2人の関係性は、今の私にもすごく響きますね」と続けている。

 あくまでもモデルだとはいえ、実在した人物を演じるのにはかなりのプレッシャーがあるのだろう。それも、繰り返すように日本の芸能界を代表する大スターの役である。笠置シズ子をモデルとしたスズ子を演じる趣里もそうだが、これらの役を任された彼女たちにしか分からない苦悩があるに違いない。そんな趣里と菊地だからこそ築くことのできるスズ子とりつ子の関係性もまたあるはずである。

 さて、そんな菊地もまた言わずと知れたスターである。それも国際的な、だ。

 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督による映画『バベル』(2006年)で世界の映画シーンで認知されて以降、スペイン映画『ナイト・トーキョー・デイ』(2009年)、ハリウッド大作『パシフィック・リム』(2013年)など、彼女は世界を舞台に着実にキャリアを重ねてきた。日本の裏社会をアメリカ人新聞記者の視点で描いた『TOKYO VICE』(2022年/WOWOW)での好演も記憶に新しい。2023年は日本映画で初めて単独主演を務めた『658km、陽子の旅』が公開され、彼女の演技は海外でも高い評価を得た。

  • 1
  • 2
 
   

ランキング(テレビ)

ジャンル