猛暑と少雨の影響で、今年の新米は全国的に見た目が白く、形や粒が小さい二等米が増えている。日本を代表するブランド米である新潟県コシヒカリや秋田産あきたこまちなども、ことごとく等級を落としている状態だ。
この傾向について、5ツ星お米マイスターで米屋「米処結米屋」を営む澁谷梨絵さんはこう話す。
「今年の夏は高温と水不足が続き、高温障害で乳白色のお米が多く、等級が下がってしまったと苦労された農家さんが多いです。
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私が販売するお米はすべて試食していますが、令和5年産米を試食する中で、乳白色の多いお米は確かに外観はあまり良くありませんが、炊飯後の味わいは大きな影響がありませんでした。
乳白色のお米は、高温によりでんぷんが部分的に密度が低くなり、光が乱反射して白く濁ったように見えます。また、水分を吸収しやすくなるため、柔らかく炊きあがることがありますが、お米の成分は変わらないので、味に遜色はありません」
むしろ、吸水が早いため吸水時間を短縮でき、早く炊き上げることができるという。秋のごちそうである炊き込みごはんも、調味料を短時間で吸収するため、うま味がしっかりと染み込んだごはんを味わえる。