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パソコンやスマホで遺言書が作れるようになる?想定される課題を弁護士に聞いてみた

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先日、法務省が、自筆証書遺言について、パソコンやスマホ等のデジタル機器を使って作成する方式の検討を始めたと報道があった。法務省は早々に有識者会議を設け、民法の改正も視野に入れた議論を本格化させるという。

遺言が法的に有効となるためにはいくつかの条件をクリアしなければならない。教えて!gooでも「相続について」というタイトルの投稿があり、「遺言内容をパソコン打ちしサインを直筆で押印は実印では有効な遺言書になる?」と質問しているが、この手の質問は少なくない。

そこで今回はパソコンやスマホで遺言書が作れるようになったときの課題や、そもそもの背景や目的などを富士見坂法律事務所の井上義之弁護士に伺った。

■自筆証書遺言の要件

まずは自筆証書遺言が法的に認められるための要件を聞いてみた。

「自筆証書遺言は、遺言の全文、日付及び氏名をすべて自署(手書き)し、遺言者の印鑑を押す方式が原則です。ただし、財産が多岐にわたるなど財産目録の添付が必要な遺言については財産目録を含む全文を自署するのは遺言者の負担が大きいため、平成30年の民法改正により、財産目録部分を全て手書きする必要がなくなりました。財産目録に限ってパソコンなどで作成して印刷しその全ての頁に署名押印し、その他の部分を全て自署し押印する方式も認められます」(井上義之弁護士)

いくつかある遺言書の中でも自筆証書遺言は、お金もかからないため、気楽と言えば気楽である。

■どのような改正になるか

財産目録以外の部分についてもパソコン等で作成可能になるかもしれないとのことで、これについてどのように考えているのか伺った。

「遺言の方式が厳格に定められているのは遺言者の真意に基づいて作成されたものであることを担保するためです。デジタル技術の活用により同様の担保ができるのであればデジタル化を否定する理由はありません。加えて、デジタル化により遺言者の負担軽減や第三者による遺言の改竄の防止といったメリットも期待できます。そこで、遺言のデジタル化に向けた法改正が検討されるようになりました」(井上義之弁護士)

どのような改正になるだろうか。

「具体的な改正内容は今後の検討課題になりますが、インターネット上のプラットフォームにアクセスし、電子署名などで本人確認しつつ、所定の遺言書フォーマットを利用して遺言書を作成する方法などが考えられます。フォーマットを利用することで形式的不備により遺言が無効になるリスクが減る効果も期待できるでしょう」(井上義之弁護士)

■想定される課題

最後に改正に当たって想定される課題を聞いてみた。

「自筆証書遺言で遺言者の手書きが要求されるのは本人の筆跡から本人が作成したことやその内容が本人の真意に基づくものであることを確認する意味があります。しかし、自筆証書遺言が全てデジタル化された場合、筆跡からそれらを確認することができません。デジタル化した場合の本人性や真意性の担保の方法としては電子署名などが考えられますが、制度設計次第では、親族などが遺言者になりすましてデジタル遺言を作成する行為が横行する可能性があります。本人の利便性を確保しつつ、なりすましを防止するのはなかなか難しい課題ではないかと思います」(井上義之弁護士)

やはりどこまでいっても本人確認が課題のようだ。本人が本当に望んでいるかどうか、なりすましや改ざんをどう防止するかに注目をしながら続報を待ちたい。

専門家プロフィール:弁護士 井上義之 事務所HP ブログ

依頼者の置かれている状況は様々です。詳しい事情・希望を伺った上で、個別具体的事情に応じたきめ細やかなサービスを提供することをモットーに業務遂行しております。

記事提供:ライター o4o7/株式会社MeLMAX
画像提供:AdobeStock

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