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『パリピ孔明』諸葛亮孔明役で新境地 コメディにぴったりとハマる向井理の演技

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『パリピ孔明』©︎フジテレビ

 放送がスタートした向井理主演の連続ドラマ『パリピ孔明』(フジテレビ系)。放送前は、現代に転生した名軍師・諸葛亮孔明を、爽やかな雰囲気の向井が演じるということがなかなか想像できていなかった。だが、第1話を観た今、その姿は、劇中のセリフを使って一言で表現できる。少し失礼だが言わせてほしい。「お前、超孔明じゃん!!」

参考:向井理×上白石萌歌が語る『パリピ孔明』での新たな挑戦 成功の秘訣は“段取りスペシャル”?

 本作は、累計発行部数160万部を突破した人気コミックの実写化。魏、呉、蜀という三つの国が天下の覇権争いをしていた三国時代に、蜀に仕えた天才軍師・諸葛亮孔明は「次の生があるならば、戦のない平和な時代に生まれたい」と願いながら病没。その後なぜかそのままの姿で現代の日本、しかもハロウィン当日の渋谷へと転生してしまう。そしてひょんなことから歌手を目指す少女・月見英子(上白石萌歌)の軍師(マネジャー)となり、日本の音楽界に新たな風を吹き込んでいく。

 ハロウィンコスプレをしている人で溢れかえっている渋谷を見たとき孔明が「これが地獄か……」と呟いたときは思わず笑ってしまったが、彼は、驚くべき早さで自分の置かれている状況を受け入れた。英子の持っているスマホにも興味津々で、少しレクチャーを受けただけで簡単に使いこなし、自分の名前を検索する“エゴサ”までして、さらりと現代に馴染んでいく。さらに、英子がバイトするライブハウス「BBラウンジ」では、少し説明を聞いただけで「本当に初めて!?」と言ってしまうような完璧な所作でバーテンダーを務めた。さすが、『三国志』の中でも最高の頭脳を持っていると言われた男である。と、思わず感心してしまうのは、孔明がそれらの動作を淡々と率なくこなしてしまうからである。

 そもそも転生前のことを思い出している孔明は中国語を話しているのだが、転生後はしっかり日本語を話している。「いや、日本語ペラペラだし」というぼそっとした英子の言葉に、ふと我に返って冷静に考えてみれば、孔明はツッコミどころ満載でおかしく笑えてしまうところばかりなのだが、どのような場所であれ、孔明の姿のまま生を受けたのだからそのまま生きていこうということなのか、本人はいたって真面目で、真剣なのだ。そこに気がついてしまうとまたクスッと笑えてしまう。ふざける姿を一切見せない向井の演技がコメディにぴったりとハマり、次々に笑いが生まれていくのである。

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 本作の脚本を手がけているのは、魅力的なキャラクターたちが織りなす人間ドラマをテンポのよい会話で展開することを得意とする根本ノンジ。第1話からその根本らしさは遺憾無く発揮されている。

 明るくしっかり者の英子はバイトをしながらシンガーを志していた。しかし、現実は厳しい。ステージで歌を披露しても、さっきまでお酒を提供していたお客さんたちは注目してくれない。心が折れそうになった英子は、孔明にぽつりと弱音を吐いてしまう。でも、孔明は最初に助けてくれたから英子を頼っているわけではなく、彼女の歌に救われたからそばにいるのだ。「自分は英子の歌のファンである」ということを語りかける孔明の言葉が、優しい声でじんわりと心に染み込んでくる。これが嘘のない言葉であるというのが英子にも分かるから、他人から見たら“変な人”に見える孔明でも、自分のマネージャーになってほしいと思うのだろう。これから孔明の策によって、シンガーとして育てられ、成長していくであろう英子。今後の孔明と英子の関係性の変化にも注目していきたい。

 向井は、上白石萌歌とのインタビューの中で、ラップに挑戦したことを明かしている。第1話ではその姿は見られなかった。これから先、まだ知らない新しい孔明の姿が待っているということだ。物語は始まったばかり。来週も見逃せないものになりそうだ。

(文=久保田ひかる)

 
   

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