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2023年の『紅白』はどうなる? エレカシ、イエモン、BUMP……これまで実現してきたキャリアバンドの初出場

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エレファントカシマシ『No more cry』(通常盤)

 年末の足音が近づく秋口。音楽ファンにとっては『NHK紅白歌合戦』のラインナップが気になってくる頃合いだろう。なかでも毎年話題になるのが初出場のアーティスト。デビューしたばかりの新人はもちろん、周年や再始動などをきっかけに満を持して初出場を果たすキャリアアーティストもいる。今年はデビュー35周年を迎えるB’z出場の可能性が早くも話題だ。本稿ではキャリアを積んだ上で『紅白歌合戦』への出場を果たしたアーティストたちを紹介したい。

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 エレファントカシマシは2017年の『第68回NHK紅白歌合戦』に初出場した。この年、エレカシはデビュー30周年。オールタイムベストアルバムのヒットや47都道府県ツアーの成功などを経ての出場だった。発表会見時に、宮本浩次(Vo)は紅白出場を「本当に夢でした」と語り(※1)、前々より熱望していたことが窺えた。キャリア上での幾多の困難を乗り越え、着実に支持を広げた30年の節目として『紅白』を万感の思いで迎えたのだろう。披露された名曲「今宵の月のように」の実直な演奏はエレカシらしさに溢れるステージだった。また後年、宮本浩次は椎名林檎とのコラボレーションやソロアーティストとしても『紅白』出場を果たしており、近年では欠かせない出場者の一人となっている。

 THE YELLOW MONKEYは2016年の『第67回NHK紅白歌合戦』に初出場。1990年代に大ブレイクした彼らだが2004年に惜しまれつつ解散。そして2016年、12年ぶりに再結成して多くのファンを再び熱狂させた。そんな大きな節目の年、その暮れを『紅白』で締め括ったのは実に意義深い。吉井和哉(Vo)は会見時に「けっこう前から『紅白』を視野に入れて活動してた」と話しており(※2) 、こちらも憧れの大舞台だったようだ。この時に披露された「JAM」は名演として記憶に残っている。お祭りのような華やかな番組だからこそ、「JAM」に込められたメッセージがより際立つ。今も昔も圧倒的な存在を誇る彼らのようなロックバンドは重要な出場者となり得るのだ。

 BUMP OF CHICKENは2015年の『第66回NHK紅白歌合戦』に初出場した。デビュー当時からテレビ出演に慎重だったバンドであるが、「“その人に俺は出会いたいんだよ”って楽曲が言ってるなら、そうしなきゃいけないんですよ」(※3 )という思いで2014年からテレビ出演も選ぶようになっていた。BUMPにとっては『紅白』出場も、ブレイクの証明や到達点ではなく、楽曲を必要としているまだ見ぬリスナーと出会うためだったのかもしれない。彼らは幕張メッセでの『COUNTDOWN JAPAN15/16』からの生中継という形で「ray」を演奏。ロックフェスと『紅白歌合戦』という年末の風物詩を繋ぎ合わせた点でも印象深い初出場だった。

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 また、特殊なケースで言えばTHE LAST ROCKSTARSの初出場がある。YOSHIKI(X JAPAN)、HYDEL’Arc~en~Ciel)、SUGIZO(LUNA SEA/X JAPAN)、MIYAVIという強烈な顔ぶれによるバンドであり、彼らは2022年の『第73回NHK紅白歌合戦』で初パフォーマンスを行った。デビュー8日の“史上最速”出場だったが、これだけのキャリアを誇るアーティストたちが集結したバンドだからこそ、こうした大舞台に立つことも負荷にならず、むしろそうしたトピックスをも活動の推進力にしてしまうスペシャルさがあった。

 そのほか長らく『紅白』に出場してこなかったMr.Childrenは2008年に、RADWIMPSも2016年に初出場するなどきっかけは違えども様々な理由でキャリアを積んだアーティストが『紅白』初出場を果たしてきた。幅広い世代の視聴者が観る番組だからこそ、長く活動しているアーティストがもたらす安心感は大きいだろう。そして固定ファンから厚い支持を受けるアーティストが、新たなリスナー層を開拓できる可能性もある『紅白歌合戦』。今年はどんなサプライズが巻き起こるか、楽しみでならない。

※1:https://www.oricon.co.jp/news/2100749/full/
※2:https://natalie.mu/music/news/215190
※3:『関ジャム 完全燃SHOW』2023年4月16日放送回

(文=月の人)

 
   

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