綾野剛が、10月1日に都内で開催された主演映画「花腐し(ハナクタシ)」の完成披露舞台あいさつに登場。共演の柄本佑、さとうほなみ、メガホンをとった荒井晴彦監督とトークを行い、脚本を読んだ感想や、柄本の印象などを語った。
■芥川賞受賞作品「花腐し」を大胆に翻案
同映画は日活ロマンポルノの名作や、「Wの悲劇」(1984年)、「共喰い」(2013年)など数多くの脚本を手掛けた荒井監督が、松浦寿輝原作の芥川賞受賞作品「花腐し」を大胆に翻案した作品。廃れていくピンク映画業界で生きる映画監督・栩谷(綾野)と脚本家志望だった男・伊関(柄本)、そして2人が愛した女優・祥子(さとう)が織りなす、湿度の高い男女の切なくも純粋な愛の物語だ。
今作の脚本を読んだ時の感想を聞かれ、綾野は「脚本の段階で完成されていたので、これを実写(映像)化する畏怖心みたいなものがすごくあり、『これぞ脚本!』というものに久々に出合ってしまったなと。ただ、それ以上に荒井組に飛び込みたいという思いと、佑くんとほなみさんと一緒にその時間を過ごしたいという思いが勝って。思い切って飛び込んだんですけど、とにかく楽しかったですね」と、しみじみと語った。
また、綾野と柄本はこれまで何度か共演経験こそあったものの本格的にしっかり2人で芝居をするのはこれが初めてだという。
それを受けて、柄本との共演について綾野は「純粋に自分が佑くんのファンっていうのもあって、過去に作品で共演したことはあったんですけど、これだけしっかりご一緒するのは初めてだったんで、本読みの段階で既にセリフの初速の速さというか、迷わずポンと出てくる感じに結構圧倒されて『これまずいな』という感覚があったんです」と振り返る。
続けて「そこから現場に入っていく中で、ほなみさんも同じくなんですけど、エンジンの大きさに一緒に乗せてもらって、何回も(一緒に演技を)やっているかのような自然な関係にすぐなれたのはとても大きかったですね。声が芳醇でとってもうっとりしました」と絶賛。
■柄本も綾野に対して「結構焦った記憶があります」
一方、柄本は「今日1日取材をしていたんですけど、そんな時に発覚したことで、僕も本読みの時に荒井さんのセリフと綾野さんの親和性の高さに割とビックリして、『うわっヤバッ!』って思っていたんですよ(笑)。荒井さんの世界にフィットしている綾野さんの声というか。結構焦った記憶があります。でも、お芝居になっちゃったら、しっかりセリフのやりとりをするのは初めてだったんですけど、初めてとは思えないくらいすんなりとやりとりが始まった感じでしたね」と、こちらも綾野に敬意を込めて印象を明かす。
そんな中、綾野は「しかもこれも今日発覚したんですけど、お互い2003年デビューだったという…」とほほ笑むと、柄本も「(デビュー)20年っていうね」とニッコリ。綾野が2003年に放送スタートした「仮面ライダー555」(テレビ朝日系)で俳優デビュー、柄本は映画「美しい夏キリシマ」の主演俳優としてデビューしており、不思議な“同期デビュー”の縁に驚きつつ、その後も和やかにトークを展開した。
映画「花腐し」は11月10日(金)より全国公開。
綾野剛、“同期デビュー”の柄本佑に圧倒され「『これまずいな』という感覚があった」
2023年10月1日