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『ブギウギ』趣里の歌声と笑顔が日本を元気に “ズキズキワクワク”な朝ドラの幕開け

Real Sound

『ブギウギ』写真提供=NHK

 NHK連続テレビ小説『ブギウギ』が、10月2日よりスタートする。

参考:『らんまん』神木隆之介&浜辺美波から『ブギウギ』趣里へ 朝ドラバトンタッチセレモニー

 ヒロインを務めるのは趣里。本作は「東京ブギウギ」で知られる昭和の人気歌手・笠置シヅ子をモデルとする、ヒロイン・福来スズ子の笑いと涙の物語である。

 記者試写会として一足先に観た第1週「ワテ、歌うで!」で、強く印象に残ったのは作品の真ん中にあるエンターテインメントの力だ。始まりは、昭和23年(1948年)の戦後間もない東京。先の見えない世の中に、多くの日本人が不安を抱えていた頃、人々を楽しませ、励まし、生きていく活力を与えた一人の女性がいた。それが、女手ひとつで子供を育てる未婚の母・スズ子だ。

 スズ子がステージに現れると黄色い歓声が飛び交う。楽曲は「東京ブギウギ」。指揮棒を振るのは、スズ子とタッグを組み、一流の歌手へと成長させていく天才作曲家・羽鳥善一(草彅剛)だ。エネルギッシュで、艶やかで、ハツラツとした笑顔で歌い踊るスズ子は、観る者に元気を与えていく。それは1分弱の短いステージの映像であるが、スズ子の人柄とそのパフォーマンス力、そしてなぜこのヒロインを趣里が演じることになったのかが理屈抜きで分かる気持ちの良いアバンとなっている。

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 そこから時代は22年前の、大正15年(1926年)大阪市・福島。後に“ブギの女王”と呼ばれることとなる幼少期の花田鈴子(澤井梨丘)が「梅丸少女歌劇団(USK)」へと入団するまでが、第1週では描かれることとなる。趣里と同じくオーディションでヒロインに選ばれた澤井梨丘は、これまで映画や舞台への出演経験はあるが、ドラマは人生初出演。チャーミングな笑顔と尻込みしない度胸、役柄にも通ずる明るさ、そして趣里と似た雰囲気を感じさせる部分が、ヒロインに選んだ理由だと制作統括の福岡利武氏は明かす。USK入団後の第2週からはさらに澤井自身の天真爛漫な演技の魅力が生かされていき、初舞台を踏むこととなる週のラストで趣里へとバトンタッチ。5週目までがレビューガールとして活躍する「大阪編」として物語が展開していくという。

 鈴子が歌劇団という“自分で生きる道”を志すシーンは、後の大スターとなる片鱗が垣間見える第1週の大きな見どころと言える。「義理と人情」の考え方と「人は自分がこれや、って思うことで生きていくんのがええ」という指針となる言葉をくれる母のツヤ(水川あさみ)、ピュアで家族愛に溢れた梅吉(柳葉敏郎)、無邪気な弟・六郎(又野暁仁)、記憶をなくしているゴンベエ(宇野祥平)と銭湯「はな湯」を経営する花田家はいつも賑やか。アホのおっちゃん(岡部たかし)、熱々先生(妹尾和夫)とその役名だけでも、鈴子を取り巻くキャラクターが個性豊かであることが分かるだろう。

 先述した羽鳥善一のモデルとなった、昭和を代表する作曲家・服部良一の孫である服部隆之が主題歌と音楽を担当していることも特筆すべき点だ。朝ドラの記者会見に音楽担当が登壇するのは極めて珍しく、それほどまでに重きを置いているということでもある。主題歌の「ハッピー☆ブギ」には「中納良恵 さかいゆう 趣里」名義で、趣里もボーカルに参加しており、目の覚めるようなブギで視聴者の朝に活力を与えてくれる。

 一方で、福来スズ子の人生には多くの苦難が待ち受けている。大切な人とのある出来事や戦争――それでも、スズ子は最高のエンターテインメントショーでファンに笑顔を届けていく。『ブギウギ』のタイトルロゴは、「東京ブギウギ」の歌詞にある〈ズキズキワクワク〉を表したデザイン。そんな光と影、揺れ動くスズ子の心情が『ブギウギ』の最大の見どころになっていくのではないかと感じている。

(文=渡辺彰浩)

 
   

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