その「アソビゴコロ」の象徴ともいえるのが、ねこ専務こと、ダイゴロウかもしれません。8歳の白いオス猫で、社長と一緒に出勤し、日々仕事に邁進(まいしん)しています。

ダイゴロウのピンチに救いの手を差し伸べたのは……
生後約1カ月頃、ゴミ集積所のビニール袋の中から救出されたダイゴロウ。発見者であったソノリテの元社員さんと、そのご近所さんたちによる里親探しが始まりましたが、なかなか見つかりません。
そんな時、「うちで飼おうか?」と、救いの手を差し伸べたのが、ソノリテの社長でした。
社長は猫の飼育経験はあるものの、特別な愛猫家というわけでもなかったそう。でも、今ではダイゴロウが最も甘えるのが社長であるということから、愛情をたっぷりもらって育てられていることが伝わりますね。

ツンが強めのツンデレです
そういった経緯から社長の家で暮らすことになったダイゴロウですが、なぜ社長と一緒に出社しているのでしょう。社長いわく、「自分が社長として厳しく振舞う分、緩衝材的な存在としてダイゴロウがいると、バランスが取れるのではないか」とのことで、ねこ専務の役職を与えられたといいます。
一方で「会社に猫がいたら面白いじゃん!」という社長の遊び心によるもの、という噂もあり……とにかく、こうしてダイゴロウは、毎日出社(天候次第では在宅勤務)をすることになりました。

時には牙をむいて意思表示をするそうで……あ、あれ!? けっこう手厳しい!?
半面、ねこ専務秘書が猫用のおやつを取り出すと、急にお行儀がよくなりました!

ダイゴロウが人とのつながりを作る!?

猫アレルギーの社員もいることから、ダイゴロウが行き来できるのは、ベッドと段ボールのある部屋と、役員室のみ。
そして、ダイゴロウや、アレルギーはあっても猫が好きな社員のために、部屋をガラス張りにし、開放感と見やすさを演出するという配慮がされています。
会社に猫がいるというと、癒しがもらえそうですよね。実際のところ、どうでしょう?
「普段は関わりのない部署の人でも、猫好き同士だと、ダイゴロウをきっかけに会話をすることがあります」(ねこ専務秘書)
と、社内コミュニケーションのために、一役かっているようです。また、
「仕事に集中して気が張り詰めているとき、ダイゴロウがいると気が紛れることもあります」(ねこ専務秘書)
「ねこ専務」目当てに入社する人も
やっぱり癒し効果もあるようですね。この、ねこ専務秘書、実はダイゴロウがきっかけで入社をしています。「ダイゴロウについて書かれたWeb記事を読んで、ソノリテを知りました。ちょうどその時、転職をしたいと思っていて、職場に猫がいるという発想に柔軟性と面白みを感じたので」(ねこ専務秘書)
と、話してくれました。会社に猫がいるからこそ、生まれる縁もあるんですね。
「猫が好きだけど、ずっと飼えない環境で暮らしてきたので、出社をすると会えるのがうれしいですね。
また、元々特別猫が好きでなかった社員も、いつの間にかダイゴロウをなでていたりするので、動物と触れ合うきっかけにもなっています。
少なくとも、ねこ専務がいることで、マイナスになると言っている人はいませんね」(近藤さん)
ダイゴロウの存在は、多くの社員の励みになっているようなので、社長の遊び心(?)は、いい作用をもたらしているといってもよさそうですね。
「保護猫の飼育が美談で終わってはいけない」

「血統書付きがいいという人もいるとは思いますが、ミックスでも、どんな子でも猫であればみんなかわいい。
もっと多くの人の目が保護猫を引き取るという選択肢に向かえばいいという思いで発信をしています」
と、猫愛あふれるコメント。近藤さんは、
「保護猫の飼育が美談で終わってはいけないと思います。捨て猫がゼロになれば、保護猫を紹介する事例もなくなると思うので、そうなっていくことが一番いいなって」
猫又になるぐらい元気に長生きして
お二人のお話に共通するのは、すべての猫の幸せ。「猫を捨てるのはダメ」という思いが伝わってきます。最後にダイゴロウへの気持ちを聞いたところ、「猫又(ねこまた 猫の妖怪)になるぐらい元気に長生きして欲しいです」(ねこ専務秘書)
「社員を代表して言うと、もう少しなでさせてくれるとうれしいですね」(近藤さん)
これからも優しい社長と社員さんから愛情をたっぷりもらって、元気に過ごしてほしいですね。
ねこ専務秘書【公式】X(旧Twitter):@D56_secretary
<取材・文/増田洋子>
【増田洋子】
2匹のデグー、2匹のラットと暮らすライター。デグーオンリーイベント「デグーサロン」を運営。愛玩動物飼養管理士2級を取得。Twitter:@degutoichacora