これまで1000人以上の「出会いがない男女」の相談に乗ってきた筆者ですが、かつては髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”。「人は変われる」を自ら実践し、多くの方々の「もったいないところ」をご指摘してきた経験から、誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
頑張って婚活しても、努力の方向がズレている女性たち

麻衣さんは学生時代、就活を通して親しくなった男性と付き合ったことがあります。でも今思えば、お互いが好きで付き合ったというより「恋人がいる」ステータスにあこがれていただけかもと振り返ります。お互いに興味がなかったため、会うために時間を作ることが億劫になり、自然消滅してしまったそうです。
それ以降、彼氏は一人もできたことがありません。
誰と会っても“ピンとこない”まま40代になりそうで
出会いがない職場で気が付けば30代に突入し、コロナ禍で自然に出会える可能性はゼロになりました。そこで婚活を始めたのです。婚活開始から1年経過し、すでにヨーロッパ旅行ができるくらいの金額を婚活につぎ込んでいます。結婚相談所に入ったものの、アドバイザーに質問しても返信が遅かったり、アドバイスが漠然としすぎていました。サポートが頼りないと感じ、2つ目の結婚相談所に乗り換えました。すると返信は早くなったものの、アドバイスは相変わらず漠然としていたそうで「試しに会ってみよう」「もう一回、会ってみよう」ぐらいしか言われませんでした。
出会いがないわけではないけれど、どの男性も決め手に欠け、アラフォーの入り口が見えてくる恐怖から私のところへご相談にやってきました。
好きになりにくいのに「好き」で選ぼうとしてない?
お話を聞いていると、麻衣さんは人を好きになりにくい体質だと思いました。唯一の彼氏のことも、あまり覚えていなかったくらいです。これまで出会った男性のマイナス面の話は話題に上るのですが、いいなと感じたエピソードはゼロなのです。
麻衣さんが結婚相談所から受けたアドバイスは、感情にフォーカスした「たくさん会えば、フィーリングが合う人に出会えますよ」というものでした。その言葉を信じてたくさんの男性に会って疲弊(ひへい)し、せっかく時間を作って会ってくれる相手を好きになれない自分を責めていました。
3回目デートで発生した“エアコン事件”
麻衣さんはある日、「好きではないけれど“フェスが好き”という共通点があって嫌でもないから会っていた」という男性・寛人さん(仮名)とカラオケに行きました。彼とはそれまでに2回ほど食事をしましたが、食事だけじゃ相手の人柄が分からないから別のプランのデートもいいかもと思っていた時に、カラオケを提案されたので行ってみることにしたのでした。カラオケ店の室内は、エアコンがガンガンに効いていました。前のグループが白熱していたのかもしれません。
部屋に入って寒く感じた麻衣さんは「寒くないですか?」と言ったのですが、寛人さんは「寒くないよ」と答えます。
寒くないと言われたので空調の温度を変更しにくくなってしまった麻衣さん。寒がっているのに気がついてくれない寛人さんにモヤモヤが募ります。
「この人とは合わないかも」というカン違い
麻衣さんはその“エアコン事件”で、合わないから寛人さんも断ろうかと迷っていました。
「そうなんですか。わがままって思われませんか?」
「思われないですよ。遠回しで察してほしがる女性の方が面倒くさいです」
「そうなんですか」
麻衣さんは他にも色々と、努力や我慢の方向がズレていました。自分の要望を伝えればいいところで遠慮して、その割に、気がつかない相手にモヤモヤしているのです。
日程調整で「いつがいいですか?」と聞くのをやめる
寛人さんとのLINEのやり取りを見せてもらいました。カラオケを提案された時もこんな感じです。麻衣「いつがいいですか?」
寛人「19日はどうですか?」
そのときの日付は15日。19日は、4日後でした。
「寛人さんは日程を一つしか出してくれないし、急すぎるし、やり取りがストレスなんです」
「だったら、『いつがいいですか?』って聞くのはやめましょう。『私は〇日と〇日が大丈夫です。ご都合いかがですか?』って先に複数の候補日を出して、あちらが選べるように提案しましょう。いつがいいですかって聞けば、自分の都合がいい日を答えますよ」
「先に私の都合を伝えていいんですか? それは悪いような」
「頼まれてもいないところに気を使って、そのくせ、自分の都合を言葉で伝えずに『分かってくれ』と要求してますよね。そのことの方が、相手に悪いと思いませんか?」
「そういうところですよね。自分の希望日を先に伝えるようにします」
デートの待ち合わせに「行きやすい場所」を言えない
麻衣さんはこれまでも、男性にモヤモヤすることがたくさんありました。他のとある男性はデートの待ち合わせ場所に、二人の中間地点ではなく男性の家から近い場所を提案してきたそうです。「でもお店を探してくれてるし、嫌だけどこういうのもありがたいなって思って行った方がいいんですよね……」
「そういう時、麻衣さんの方から出やすいエリアのお店を提案ちゃってもいいんですよ。『気になるお店があるんですけどこちらはいかがですか? 〇〇さんがほかに行きたいお店があればそちらでも大丈夫です』みたいに伝えて。男性で飲食店に詳しい人はあまりいないし、あちらにゆだねるとデートの満足度が下がるでしょう」
「そうなんです。前も20代女性ばっかりのお店を提案されて、付き合ってもいない男性と二人で行くのが辛かったです」
無自覚の“察してちゃん”にならないで
麻衣さんは、「自分の要望を相手に伝えること」を頑張ると約束してくれました。麻衣さんのようにわがままは悪いことと思い込み要望を伝えず、無自覚の“察してちゃん”になってしまう女性は多いです。真面目な女性ですし、良いご縁があることを願います。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<取材・文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt