残り試合が最も少ない日本ハムの万波中正
プロ野球もいよいよ大詰め。パ・リーグの本塁打王争いは日本ハム・万波中正、ロッテ・ポランコ、楽天・浅村栄斗、ソフトバンク・近藤健介が25本で並んでいる。事実上この4人に絞られたと言っていいだろう。
万波は横浜高から入団5年目の23歳。昨季は新庄剛志監督に見出されて100試合に出場し、14本塁打と浮上のきっかけをつかむと、今季はここまで137試合出場で打率.269、74打点とキャリアハイの成績を残している。
ストライクゾーンを9分割したコース別打率は以下の通りとなっている。

打率3割以上の赤色はベルトラインに集中。25本塁打のうち18本はこのゾーンで、スイートスポットなのだろう。相手投手からすれば左右ではなく、高低で攻めることが重要であると分かる。
中でも内角低めは28打数2安打とからっきし打てていない。リーグワーストの129三振のうち76個は真ん中、外角も含めた低めで喫している。
日本ハムは残り4試合とライバルよりも少ない。しかも本拠地エスコンフィールドの試合は全て消化しており、PayPayドームのソフトバンク戦2試合と京セラドームのオリックス戦、楽天モバイルパークの楽天戦と全てビジターだ。
条件的には最も不利かも知れないが、若きパワーヒッターが持ち前の思い切りの良いスイングで抜け出すか。
ZOZOマリンで6試合残すポランコ
残り試合が8試合と最も多いのがロッテのグレゴリー・ポランコだ。ここまで114試合に出場して打率.245、72打点。昨季は巨人で24本塁打を放っている。ストライクゾーンを9分割したコース別打率は以下の通り。

なかなか珍しい「配色」になっている。打率3割以上を示す赤色は真ん中高めと外角ベルトライン。逆に打率2割未満を示す青色も4コースあり、しかもバラけている点が目を引く。
苦手なコース、言い換えれば「穴」が多いわりに、芯を食えばオーバーフェンスという助っ人ならではの特徴が出ているデータだ。
MLBパイレーツ時代の2016年に22本塁打、2018年に23本塁打をマークした実績の持ち主。残り8試合のうち6試合は、25本中16本を放っているZOZOマリンスタジアムという点からもタイトルに最も近いのはポランコかも知れない。
実績では断トツの浅村栄斗
楽天の浅村栄斗は2020年にも32本塁打でタイトルを獲得しており、3年ぶりのキングを狙う。
ここまで136試合に出場して打率.272、74打点。2018年から3年連続30発など通算282本塁打の実績はライバルたちを凌駕している。ストライクゾーンを9分割したコース別打率は以下の通り。

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内角には滅法強く、内角低めも打率.310、真ん中低めでも打率.328をマーク。穴の少ない打者であることが証明されている。
唯一、青く染まっているのが外角低め。打率.158で、102三振のうち28個はこのコースだ。
残り試合は7。9試合で1本しか打っていないPayPayドームを2試合残すが、逆に12発を放っている本拠地・楽天モバイルパークも3試合残っている。実績では断トツだけに最終盤での固め打ちがあっても驚けない。
パワー増した近藤健介
今季からソフトバンクに移籍した近藤健介は、ここまで137試合に出場して打率.300(リーグ2位)、25本塁打(同1位タイ)、85打点(同1位)と三冠王もあり得る成績だ。
日本ハム時代の2019、2020年に最高出塁率に輝くなど、これまでは卓越したバットコントロールが売りだったが、今季はパワーも増している。ストライクゾーンを9分割したコース別打率は以下の通り。
