
出産時に会陰切開(えいんせっかい)がこわいと感じる方も少なくありません。「デリケートゾーンを切る」「縫うのは痛くない?」とわからないことが多く不安を感じるママも多いことでしょう。しかし出産の現場では、会陰切開はごくごく一般的な処置で、普通に行われます。ここでは会陰切開の切開後の痛みについて産婦人科医監修で解説します。
会陰切開とは?
会陰とは、女性のデリケートな部分、腟の出口と肛門のあいだのわずか数cmの狭い部分のことを指します。出産時には赤ちゃんの頭が産道の出口を抜け出てきますが、会陰は薄く引き伸ばされるのが一般的。しかし、伸びが悪いと自然に裂傷ができてしまうこともあり、出産によって大きな傷ができるのを避けるために会陰切開が行われます。
会陰切開が行われる理由
会陰切開はどのような状態のときに行われるのでしょうか。まずは、出産時に赤ちゃんの頭が出るとき、赤ちゃんの頭がスムーズに通らず裂傷が起こってしまうと思われる場合です。切開の傷はきれいに縫合でき治りも早いので、自然裂傷より良いという考えで行います。
また、赤ちゃんに危険が迫ったりお産が長引いたりして、自然な誕生を待っている余裕がなくなってきたときにも行われます。その場合は鉗子分娩、吸引分娩など腟内に器具を入れる医療行為を行うこともあります。
会陰切開をしないと裂けてしまう場合も
赤ちゃんが産まれる際に会陰切開をしないと会陰が大きく裂けてしまう場合があります。裂けてしまうよりは切開をしてきれいに縫ってもらうほうが良いのですが、怖い気持ちもあることでしょう。
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しかし、今は初産のほとんどの妊婦さんが会陰切開を受けているようです。あまり怖がらずに医師の判断にまかせ、元気な赤ちゃんに会えるのを楽しみに待ちましょう(医師によってはなるべく会陰切開をせず、自然に分娩させる場合もあります)。
助産師監修|会陰マッサージの効果は?始める時期やおすすめのマッサージ方法もご紹介!https://mamanoko.jp/articles/23715
実際の痛みはどのくらいなの?

会陰はデリケートな部分なので、切るのは痛いのではないかと怖くなりますよね。しかし、いざ出産になったときには切開の痛みより産みの痛みのほうが強いという方がほとんどです。切開後の痛みには個人差がありますが、切開後に痛む人には痛み止めが処方されます。また、抜糸すれば違和感はなくなりますよ。

会陰切開の痛みについては「痛い人」「そうでもない人」、人それぞれのようです。筆者が会陰切開されたときは、切られたような気がする程度で、産むことに集中していたため、さほど気になりませんでした。
縫合中も麻酔が効いていたためか、ピアノ線のような糸で縫われる感覚はありましたが、縫っている先生と普通に会話できるくらいまったく痛みは感じませんでした。 一般的にしっかり麻酔が効いていれば、会陰切開自体が痛いことはあまりないようです。
痛いのは「会陰切開後」だった!

基本的に、出産時に会陰切開をした場所は自然に溶ける糸で縫うところが多く、抜糸の必要はありません。しかし、引きつる感覚がある場合は抜糸をするほうが楽になります。産後は脱脂綿などで縫っている陰部を清潔に保たなければなりませんが、出産で負傷していることもあり、いつもよりも出血や腫れ、痛みを伴います。
ここで慎重になってしまうのがお手洗いです。尿であっても便であっても、産後は腟付近がむくんで出にくいどころか、痛みを伴いなかなか用を足せないかもしれません。産後すぐは大変ですが、抜糸をすれば痛みが解放されたという意見もあります。また、退院後にはいつのまにか痛みが消えていたという方もおり、過酷な痛みはさほど長続きしないケースがほとんどです。
