top_line

無料ゲームで脳トレしよう
今すぐ遊んでみるならコチラ

親と子のすれ違う“心の距離”を真っ向から描いた衝撃作「The Son/息子」

キネマ旬報WEB

ピーターは父親として息子に何ができるのか懸命に考え、向き合おうとする。しかし、彼がやることなすことはすべて空回り、息子の心の奥はいつになっても理解できない。焦りと混乱から、ピーターの息子に対する質問はまるで裁判の“尋問”のようになり、その高圧的な口調は、ピーターが嫌っていた父親(アンソニー・ホプキンス)にそっくりだった。自分が親にされて嫌だったことを、いつの間にか自分も子どもにしてしまっている。ピーターは言う、「自分が嫌いな役を全力でやるのは悲しい」と。息子を救いたい、でもどうすればいいかわからない。もう、愛だけでは治せない。

ピーターが我が身をふりかえる時、ケイトと6歳のニコラスと3人で出かけた海での映像が挿入される。父親としての自信に満ち溢れ、ニコラスからの絶対的な愛を感じられていたあの頃。自分はどこで、何を、見落としたのだろうか。

子育ては新たな発見と後悔の繰り返しだ。正解などない。親にできることは、子どもの些細なサインを見落とさないように、ひとつでも笑顔が生まれるように、見守り続けることぐらいなのかもしれない。筆者も2人の子どもを育てる親として、涙でかすんだエンドロールを観ながらそんなことをずっと考えていた。

 

全編に漂うリアルな空気感は、いかにして生まれたのか

「この映画に関しては、あまりリハーサルをしないほうが、インパクトが大きく効果的だと直感的に思った」と、監督は語る。撮影するにあたり、物語の背景について監督と俳優は色々と話し合ったが、本番ではそれよりも現場で体験する感情が重視された。その効果が最大限に感じられるのが、終盤の場面。登場人物たちはここで人生最大の試練に直面することになるが、このシーンは1発撮りだったという。俳優たちの顔や目のリアルな表現は必見だ。

広告の後にも続きます

また本作では、キャラクターが悲嘆に暮れるシーンでは手持ちカメラを採用。一方で、劇中で最も重要で悲劇的な場面はカメラワークから外し映さないという手法を取っている。これにより、観客が自分なりに作品を解釈することを目指した。『ファーザー』でも組んだ撮影監督ベン・スミサードによる登場人物の心情がつぶさに伝わる映像は、きっと観る者の心を揺さぶり続けることだろう。

Bly-rayの特典映像では、現場での貴重なメイキングや監督&キャストのインタビュー、予告編集を収録(DVDは予告編集のみ収録)。本編と合わせてぜひチェックしてみてほしい。

 

文=原真利子 制作=キネマ旬報社

 

  「The Son/息子」

●9月13日(水)Blu-ray&DVD発売(レンタルDVD同時リリース)
Blu-ray&DVDの詳細情報こちら

 

Blu-ray 価格:5,280円(税込)
【ディスク】<1枚>
★映像特典★
・メイキング
・監督&キャストインタビュー
・予告編集

●DVD 価格:4,180円(税込)
【ディスク】<1枚>
★映像特典★
・予告編集

●2022年/イギリス/本編123分
●監督・脚本・原作戯曲・製作:フロリアン・ゼレール
●共同脚本:クリストファー・ハンプトン
●出演:ヒュー・ジャックマン、ローラ・ダーン、ヴァネッサ・カービー、ゼン・マクグラス、アンソニー・ホプキンス

●発売元:キノフィルムズ/木下グループ 販売元:バップ
© THE SON FILMS LIMITED AND CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2022 ALL RIGHTS RESERVED.

  • 1
  • 2
 
   

ランキング(映画)

ジャンル