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『ゴジラ-1.0』公開前に観るべき作品は? 山崎貴監督と“ゴジラ”の縁を紐解く

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『ゴジラ-1.0』©2023 TOHO CO.,LTD.

 山崎貴監督の最新作映画『ゴジラ-1.0』の最新予告編が公開され、新たな出演者が何人か発表されたと同時に、本編から抜き出された場面によって、かなり映画の雰囲気が掴めてきた。

参考:神木隆之介、浜辺美波らの姿も 『ゴジラ-1.0』場面写真&ゴジラの全身ビジュアル公開

 この映画に出演している神木隆之介と浜辺美波は、現在NHKで放送中の連続テレビ小説『らんまん』で夫婦役を演じているが、山崎監督のコメントによると『らんまん』よりも先にこのキャスティングが決まっていたという(ちなみに『らんまん』は2023年4月放送開始)。浜辺美波は山崎貴作品『アルキメデスの大戦』(2019年)への出演歴があり、本作が初めてというわけではなく、神木隆之介も『ゴーストブック おばけずかん』(2022年)に引き続いての出演となる。吉岡秀隆は、山崎監督の代表作ともいえる『ALWAYS 三丁目の夕日』3部作に主演している。

 昨年から山崎貴監督がタイトル不詳の大作映画を撮る話は流れており、戦後間もない日本が舞台というエキストラの募集要項から、「その映画はゴジラではないのか?」といった推測もネットで見られていた。多くの人の予想通り、新作の正体は『ゴジラ』だったわけだが、山崎監督とゴジラの縁は16年前にさかのぼる。

 西岸良平の漫画を原作とした東宝映画『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005年)が大ヒットし、翌々年にすぐ続編が公開されるが、第2作『ALWAYS続・三丁目の夕日』(2007年)の冒頭にゴジラが登場する。もちろん、これは夢オチで描かれる僅か数分のシークエンスに過ぎないものの、「もしも山崎貴がゴジラ映画を監督したら」と、特撮ファンが歓喜するほど力の入った映像だった。2021年には西武園ゆうえんちのライドアトラクション「ゴジラ・ザ・ライド」の映像も手がけている。

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 山崎監督とゴジラの縁を紐解く良い機会なので、『ALWAYS続・三丁目の夕日』のパンフレットに寄稿された文章から少々引用しよう。「僕は現代を舞台にしたゴジラ映画に、どうしても違和感があったんです。(中略)昭和29年とか、30年代を舞台にしたゴジラ映画ができればいいなとずっと思っていました」「ちゃんと昭和の町を作り、その背景にゴジラを登場させることは、ゴジラ好きには夢なんです」。これらの発言から、山崎監督の目指していたビジョンが『ゴジラ-1.0』に大きく反映されているのが見て取れる。

 『ゴジラ-1.0』の最新予告編は、9月4日に国内の東宝公式チャンネルと、東宝が運営する海外向けゴジラ公式チャンネル(日本版予告に英語字幕を入れたもの)が同時にUPされたが、大変興味深い動向を見せている。

 日本の予告編再生回数が279万回なのに対し、海外版予告編の再生回数が743万回と、日本国内との対比で3倍近い注目を集めているのだ(2023年9月下旬現在)。予告編がアップされてから2週間強と同じ期間ながら、『シン・ゴジラ』から7年ぶりに日本で蘇るゴジラに、日本国外からどれほど注視されているかが分かる。

 ここ数年、モンスターバースシリーズとしてハリウッド映画に進出していたゴジラだが、海外ファンが「東宝が自分たちのスタイルとアイデンティティを失わずに、現代のゴジラを作ってくれて良かった」「ゴジラが単なるヒーローでなく、恐ろしいモンスターとして描かれているのは良いことだ」と予告編にコメントしているように、日本が制作するゴジラに大きな期待を寄せているアメリカの怪獣ファンが多いのだろう。

 そんな『ゴジラ-1.0』の公開前に是非とも押さえておきたいゴジラ映画だが、山崎監督のアプローチとは対極に、「もしも現代日本に巨大怪獣が出現したら!?」というシミュレーションで、官僚や軍がどう動くか政治的な駆け引きと会議を交えて描く庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』(2016年)、ゴジラが敵怪獣を倒すヒーローではなく、日本を襲う脅威として描かれる金子修介監督の『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001年)、そして何よりも昭和29年に公開された最初の『ゴジラ』(1954年)などはお薦め。

 VFX技術が十分に熟して、怪獣の巨大感と街の破壊が楽しめる『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019年)は、アメリカの目を通したゴジラ像と、フルCGの怪獣たちを観る意味でも予習に良いだろう。余力のある人は『ALWAYS続・三丁目の夕日』の冒頭数分だけでも観ておくと、現代のCGI技術の発展具合が実感できると思う。『ゴジラ-1.0』に登場するゴジラの全身像もオープンになり、これから徐々に明かされて行く情報を楽しみにしつつ、11月の公開を待ちたい。

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