SNSでメンタルや生きづらさを題材としたイラストと言葉を発信しているなおにゃんさん(@naonyan_naonyan)は、かつてうつと適応障害から会社を休職。当初はそんな自身について「恥ずかしい、情けない」と感じていたが、今では「休職して良かった」と思っているそう。
コミックエッセイ「うつ逃げ~うつになったので全力で逃げてみた話~」は、そんななおにゃんさんの実体験をベースにした作品。病気から、会社から、果ては日本からも全力で逃げた1年間を赤裸々に描く。
第7回の今回は、復職当日の様子について。「みんなの前でこれからは頑張りますって挨拶して」と言われたところ、「これ以上頑張れないし、嘘でもそんなことは言えない」と混乱して号泣した思い出を描く。
うつの人に「頑張れ」という言葉はNGだと聞きますが、この時はじめて理解しました。『頑張りすぎずに頑張ってね』というニュアンスを伝えたいけど、それに合う言葉がなかなか見つからないですよね。英語で言う『take it easy』のようなフランクに使える言葉が、日本語でもあったらいいなと思います。私は『頑張れ』という言葉がしんどかったので、同じうつの方には『のんびりマイペースにいきましょう〜』などと言うようにしています。あと当時は、『人生長いから大丈夫〜』と言ってもらえたら、嬉しかったと思います。
その後は部署を変えてもらい仕事をしていたものの、うつ病が寛解していなかったこともあって、ひたすら無気力な毎日でした。復職しても、定時に出社できなかったり休んでしまったりとちゃんと働けなくて、毎日が自己嫌悪でした…。この時は本当にうつがひどくて、プライベートも無気力。せっかくの休日も、『今日寝てまた1日経ったら仕事だ…』と、ネガティブに考えてしまい、楽しむことができませんでした。体もぐったりしていて、家ではほとんど寝て過ごしていたように思います。
頭が混乱して真っ白になったという復職当日から、およそ5カ月ほどで二度目の休職に入ったなおにゃんさん。これからは彼女の人生を変えたという、二度目の休職について描かれる予定だ。今後の展開も注目したい。
取材・文=石川知京
復職当日、大勢の社員の前で「頑張りますと挨拶して」と言われて頭が真っ白に。「うつの時ってもうすでに頑張っている…」【作者に聞く】
2023年9月26日