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『何曜日に生まれたの』天才作家・公文竜炎の誕生秘話が明らかに すいとの関係の行方は?

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『何曜日に生まれたの』©︎ABCテレビ

 公文(溝端淳平)の代表作『死にたがる彼女を1000回救う』のヒロイン・アガサによく似た謎の美女(白石聖)は誰なのか。また、公文との関係は? 『何曜日に生まれたの』(ABCテレビ・テレビ朝日系)第7話では、冷酷な天才作家・公文竜炎の誕生秘話が描かれた。

参考:『何曜日に生まれたの』明らかになったバイク事故の真相 “現在編”ですいはどう動く?

 “ホントの海”で10年前のバイク事故の真相と本音を告白したすい(飯豊まりえ)と同級生たち。あの日を経て、彼女たちの止まっていた時間は良くも悪くも動き出したようだ。瑞貴(若月佑美)と悠馬(井上祐貴)は離婚を決意。純平(YU)は両親にカミングアウトしたことを晴れやかな顔で公文に語る。過去の呪縛から解き放たれた今、これからどう生きるかをそれぞれが考え始めていた。

 そんな中、健人(濱正悟)のバイク店に集まったすい、瑞貴、リリ子(片山友希)の会話が興味深い。話題は「一人焼肉をするかどうか」について。瑞貴とリリ子は一人焼肉をしたことがあるが、すいはまだ未経験だった。それはすいが10年間も部屋に引きこもっており、日々のストレスから無縁だったことが理由の一つに挙げられるのではないか。一人焼肉の醍醐味は、好きなお肉を自分のペースで焼いて食べられること。いわば、頑張った自分へのご褒美だ。無心になってお肉を焼くうちに嫌なことも忘れられて、なおかつ力もつく。明日を生きるための儀式とも言える。

 その後、一人焼肉に行った瑞貴とリリ子の場合もそうだ。二人がそこで断ち切りたかったのは愛する人への思い。ある日、健人とともに公文のマンションに招き入れられた瑞貴は、すいたちの前で悠馬と別れた本当の理由を語る。公文が「子供には子供好きな人がわかる」と言うように、久美(シシド・カフカ)の息子にも懐かれている悠馬は大の子供好き。対して、瑞貴は子供を望んでいなかった。

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 それは自ら望んで子供を作ったにもかかわらず、愛情を注ぐ代わりに暴力を振るう父親を見てきたからだろう。自分にはそんな無責任なことはできない。だけど、いつか子供とサッカーがしたいという悠馬の夢を、瑞貴はパートナーとして奪うことなどできなかった。だからこそ、彼女は浮気して悠馬を裏切った妻という悪役を買って出たのである。それ以前に健人が語っていた「どうにもならないことってあるよ人生は。諦める方が幸せなことも」という台詞も印象深い。瑞貴にとっては悠馬と別れることよりも、悠馬に我慢させてまで一緒にいることの方がずっとずっと苦しかったのだ。

 一方、リリ子は純平への長年の思いに整理をつけようとしていた。ストーカーと言われようとも、学生時代からただひたすら純平だけを追いかけてきたリリ子。だが、純平の恋愛対象が男性と判明した以上、彼女の思いはこの先もきっと成就することはない。号泣しながら焼肉を頬張った後、突然笑い出したリリ子の真意はまだ測りかねるが、彼女なりの気持ちの落とし所を見つけたようだ。

 そうやって人間は辛いことがあっても、自分なりの方法で気持ちにケリをつけて前に進んでいく。だけど、許容範囲を超えた辛い出来事に襲われたとき、人の心はいともたやすく壊れてしまう。アガサに似た美女ーー公文の妹と判明した蕾のように。父亡き後、母親の再婚を機に家を出た公文は蕾が不登校になったことを知らなかった。気づいた頃には時すでに遅く、久しぶりに訪れた実家は蕾が刺した母親とその再婚相手の血の海と化していた。初回の放送で公文が丈治(陣内孝則)に引きこもりの帰結として「産んだ親を一番憎み、ナイフを持つ」と語った言葉はそんな経験に基づくものであったのだろう。今思えば、言葉の端々にリアリティがあった。

 そして、その後も自傷行為を繰り返し、精神科に入院した蕾の辛い過去を催眠療法で消す代わりに公文が新たに与えたのがアガサとしての人生だ。蕾は公文のヒロインとして生まれ変わった。公文は自分を蕾とともに三次元の世界に閉じ込めたのである。だからこそ、すいの同級生に「君たちとは生きる次元が違う」という言葉を放ったのだろう。歪んでいるが、公文もまた瑞貴と同様、蕾のために自分の幸せを諦めたともいえる。三島公平としてはすいに惹かれているが、その気持ちに必死で蓋をしようとしているのかもしれない。

 そんなことを知るよしもないすいは公文と丈治にずっと盗聴されていたことを知り、一人焼肉へ。部屋に閉じこもることなく、外に出たのは悲しいことがあっても前に進もうとする強さの表れか。その結果として、すいは10年前の交通事故の際に助けを求めた車に乗っていたのが公文だったことに今さら気づく。公文あるいは公平、蕾、すいの奇妙な三角(四角)関係の行方はどうなるのか。物語はついにクライマックスへ突入する。

(文=苫とり子)

 
   

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