PSV戦ではとてもよかった
UEFAチャンピオンズリーグの舞台に7季ぶりに舞い戻り、グループステージ初戦のPSV戦を4-0と大勝したアーセナル。冨安健洋ほか数名の選手のCLデビューなどこの試合のトピックはいくつかあったが、大きなものの1つにMFカイ・ハフェルツのパフォーマンス改善がある。
スタメン出場したハフェルツは周囲との良い連携を構築し、プレス時も攻撃時も効果的な動きを見せていた。『Whoscored.com』のデータによれば、パス成功率は93%、2本のシュートとキーパス1回を記録。守備でもタックル成功数4回、3回の空中戦勝利と攻守にわたって活躍していたと言っていい。
英『BBC』でも、アストン・ヴィラやノリッジを指揮したディーン・スミス氏がハフェルツを称賛している。
「カイ・ハフェルツはホールディングMFのイェルディ・スハウテンをバック4に押し込み、フロント5人のプレスで中盤に大きなスペースが生まれた。彼らはそれを非常にうまくやり、とても感銘を受けたよ」
気になるのは、このパフォーマンスがプレミアリーグでも継続するのかという点だ。エールディヴィジのチームであるPSVがプレミアリーグのチームと同等の強度をもっているかといえば疑問があり、さらにホームの大きな後押しがあった。今節のノースロンドンダービーでミケル・アルテタ監督が誰を起用するのかはわからないが、そのような試合で同じパフォーマンスを見せることができるかが今後のハフェルツの評価を分けることは間違いない。
このPSV戦では、周囲にいたのがレアンドロ・トロサールとガブリエウ・ジェズスだったこともハフェルツにとっては好条件だったのかもしれない。ボールホルダーに対し適切な距離を取りリンクするのが得意な両者と、どちらかといえば前へのベクトルが強いガブリエウ・マルティネッリ、エディ・エンケティアではハフェルツの仕事にも違いが出てくるだろう。PSV戦で見せたボールを収める動きや、前への推進力はトロサールやジェズスとともにいたほうが発揮できそうだ。
開幕からの数試合ではパフォーマンスが批判を浴びたハフェルツだが、ここから進化した姿を見せてくれるだろうか。