◆そろって日の丸を付けて臨む国際大会
中国にて行われる「第19回アジア競技大会(2022/杭州)」。同大会に出場する男女日本代表の中で注目となるのが、赤穂雷太(秋田ノーザンハピネッツ)と赤穂ひまわり(デンソーアイリス)の“赤穂ツインズ”だ。
「(メンバー選出は)うれしかったですし、ここでしっかり成績を残せば来年のパリ(オリンピック)にもつながると思うので、自分のできることをアピールして頑張りたいと思います」と語る雷太は、今シーズンより秋田に移籍したオールラウンダー。今大会では「3番ポジションがメインですが、ビッグマンが少ないので4番でも出るとは言われています。短い期間ですが両方のポジションを覚えてしっかりとやりたいです」と、意気込む。
一方のひまわりは、ここ数年、日本代表の主軸として活躍し、東京オリンピックの銀メダル獲得にも貢献。今年は6月の「FIBA女子アジアカップ2023」に続いての国際大会出場となる。来年2月にはOQT(オリンピック世界最終予選)が控えており、アジア競技大会を「(OQTに向けて)いいキッカケとなる大会になれば」と、言う。女子日本代表の公開練習が行われた日はコンディション調整のために別メニューとなったが、「(練習合流は)もう少しです。大会までには間に合うと思います」と、笑顔を見せた。
2人が日本代表として同じ大会に出ることは初めて。「ひまわりが日本代表に入ったのはネットで知りました。合宿前に『今日から合宿だけど、いつから?』とひまわりから連絡が来て、『あ、本当に入ってるんだ』と思いましたね」という雷太は、「一緒に日本代表に入るのが初めてなので楽しみだし、頑張りたいです」と、コメント。対するひまわりも、「同じ大会に行くことはもちろん初めて。面白いと思いますし、楽しみにしています。割と自分にとってはポジティブな要素です」と、目を細めた。
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◆小さい頃から阪神ファンで18年ぶりの優勝はいい刺激に
赤穂家は一家そろって阪神タイガースファン。18年ぶりのセ・リーグ優勝に「めちゃくちゃうれしかったです。ここから黄金時代が来ると信じていますし、日本一も取れると思っているので、そこは全力で応援したいです」と、雷太は声を弾ませる。優勝が決まった日は合宿の初日で、食堂のテレビでひまわりと一緒に試合を見たという。「8回ぐらいにピンチになり、そのまま見ていたら口が悪くなりそうだったので(笑)、部屋に戻りました」と、雷太。ひまわりも、その後は部屋に戻って別々に優勝の瞬間を味わったそうだ。
「阪神が優勝した瞬間は家族のLINEがわきましたね。(子どもの頃は)早く寝る家庭だったのですが、18年前の優勝のときは父が起こしてくれて。金本知憲選手が(ウイニングボールを)取って喜んで走ってくるところを見ることができました。それは今でもずっと覚えています」(雷太)
こう饒舌に語る表情はバスケット選手というよりは、野球少年といった感じもある。逆にひまわりは、18年前の優勝の瞬間は「覚えていない」とのことだが、「金沢に阪神が来たときに、雷太と一緒に電車に乗って試合を見に行きました。(最寄りの)駅まで母が送ってもらい、特急サンダーバードに乗って金沢駅まで。金沢駅で父と待ち合わせをしました。小学校の低学年だったと思うのですが、私たちの中では大冒険。ドキドキしながら電車に乗ったことは楽しい思い出です」と、阪神にまつわるエピソードを教えてくれた。
そんなひまわりにとって、今回の阪神の優勝は、選手としての気づきにもなったようで、このようにも語る。
「推しのチームが優勝するのはこんなにもうれしいんだということを知ることができました。私よりももっと阪神が好きな人はいるわけで、それをデンソーに置き換えると私が阪神を応援している熱よりも強い気持ちでデンソーを応援してくれている人がたくさんいる。今回、私が阪神ファンとしてうれしかった気持ちを(デンソーで)優勝すればみなさんにも味わってもらうことができるんだと思うと…頑張ろうと思いました」