胃の役割を聞かれたら、多くの人は「食べ物を消化すること」と答えるかもしれませんが、実際には少し違います。胃の最も大事な役割は、食べた物を一時的に貯蔵することです。胃の容量は、成人で1.2リットルから1.6リットルくらい。ビール瓶(びん)で約2~3本分になります。1~2歳の赤ちゃんの場合、一度に食べられる量は0.5リットルくらいです。しかし、胃は最初からその大きさで食べ物を待っているのではありません。胃のなかが空のときには野球のボールと同じくらいのサイズしかなく、食事のあと、食べた量に合わせて大きくふくらみます。そして、ここに保存した食べ物を消毒・殺菌しながら少しずつ消化させていくことで、始終食事しなければいけない事態を避けているのです。
食べ物が通過する時間が長いと胃はもたれる胃の壁には、縦走筋(じゅうそうきん)、輪状筋(りんじょうきん)、斜走筋(しゃそうきん)の3つの筋肉が張り巡らされています。これらの筋肉が縦、横、斜めに伸び縮みすることで胃が動き、食べ物が消化する胃液と混ぜ合わさり、粥(かゆ)状に攪拌(かくはん)されます。1日に分泌される胃液の量は、約2リットルになります。食べ物が胃を通過する時間は、食べ物の種類によって異なり、通常2~4時間くらい。冷たい物、やわらかい物は速く、温かい物やかたい物、脂っこい物は遅くなります。こってりした物を食べると胃もたれを起こしやすいのは、胃を通過する時間が長いからです。
胃の構造と大きさ胃はJ字型に弯曲しており、右側(小弯)よりも左側(大弯)が大きくふくらんでいる。この構造で胃が動くと、食べ物が少しずつ小腸に送り出される。

胃の容量は成長とともに大きくなり、生まれてから成人するまでに2~3倍以上となる。
1~2歳・・・0.5ℓ
10歳・・・1.0ℓ
成人・・・1.2~1.6ℓ

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気になる中身を少しだけご紹介!耳はどんなふうに働いて音を感じるの? 空気の振動を電気信号に変換させ聴覚を生む いくつもの器官を通って脳に辿り着く耳の最初の役目は、音を集めることで、そのはたらきをしているのは外側に張り出している「耳介」です。耳介は、音を集めるアンテナで形がぼこぼこしているのは、音を正確に聞き取るためだといわれています。音の正体は音波という空気の振動です。耳介で集められた音波は、外耳道を通り、その先にある「鼓膜」にぶつかると、今度は鼓膜を振動させます。振動は、鼓膜の先にある「耳小骨」というヒトの体のなかで最も小さい骨に伝わります。耳小骨の先には、渦巻き状の「蝸牛」があり、振動が伝わると、なかにあるリンパ液が振動し、蝸牛のなかにある有毛細胞をふるわせます。この有毛細胞はピアノの鍵盤のように音程順に並んでいて、感知した振動の内容を電気信号に変換します。それが神経を通って大脳に伝わり、音として認識されるのです。
耳が遠くなるのは、有毛細胞の衰えが原因