
連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合)も残すところあと1週間。9月22日には、主人公・槙野万太郎を演じた神木隆之介が『あさイチ』(NHK総合)に出演し、『らんまん』での舞台裏や、共演者とのエピソードを語り話題となった。
神木の『あさイチ』出演で特に印象的だったのは、やはり妻である寿恵子を演じた浜辺美波との関係性だ。浜辺がVTRで明かしたのは、神木自身が率先して夫婦で会話するシーンを増やしてほしいと監督や脚本家に頼んでいたということ。万太郎はどうしても植物について話すシーンが増えてしまうことから、夫婦での何気ない会話を増やすことで万太郎と寿恵子の関係性をより伝わりやすくしようとしたという。神木はこの提案について、「『この夫婦だったら壁を乗り越えられるだろうな』という印象を付けていきたかった」と語る。
こうして夫婦役で約10カ月にも及ぶ撮影を乗り越えてきた中で、神木にはある心境の変化が生まれたという。それは、浜辺に対して“戦友”としての感情が芽生え「みーちゃん」から「浜辺」へと呼び方を変えたということ。最初は、浜辺が年下ということもあり、自分が引っ張っていかなくてはと感じていた部分もあったという。だが、 共に作品を作り上げる中で浜辺を一緒に乗り越える“戦友”のように感じ、引っ張っていこうという責任感が取れて「浜辺」と呼ぶようになったそうだ。こうしたエピソードからも、『らんまん』で神木と浜辺がどれだけ真摯に作品と向き合ってきたのかが伝わってくる。2人を含め、今回『あさイチ』にコメントを寄せた志尊淳ら多くのキャスト・スタッフの覚悟と努力によって『らんまん』がこれほどに素晴らしい作品になったのだと感じられた。
また、今回の神木の『あさイチ』出演で話題になったのは、オープニング映像で万太郎が草原の上を横向きに移動していくシーンの裏話だ。実はこれは、台の上にのせたり紐で吊ったりしたわけではなく、数名の男性が神木を支えて移動しているとのこと。まさかの人力による移動で生まれたシーンに、スタジオもびっくりした様子だった。この話題はSNSでも大きな反響を呼び、神木自身もX(旧Twitter)に撮影の舞台裏動画を改めて投稿(※)。インパクトのある現場の様子に多くのコメントが寄せられた。
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これまで週のタイトルに植物の名前が付けられてきた『らんまん』だが、最終週では寿恵子の名からとった植物「スエコザサ」になるという。スタジオには練馬区立牧野記念庭園から借りてきたというスエコザサの鉢植えが登場。だが、万太郎のモデルとなった牧野富太郎は、この植物をなぜか図鑑に載せておらず、植物図も標本もないという。『あさイチ』ではそんな裏話も明かされたスエコザサが、来週どのように登場するのかにも注目しながら『らんまん』のフィナーレを見届けたい。
※ https://twitter.com/kamiki_official/status/1705025406796197923
(文=Nana Numoto)