
今から11カ月前の2022年11月8日。滝沢秀明は、自身のSNSでこう綴った。
時間、時代がただただ流れていってしまわぬ様に
平等に与えられた未来という場所で
僕ら人間が夢を見るだけでなく掴む為に
たったそれだけの事。
滝沢はその本質に「TOBE」という名前をつけ、エンターテインメントの力を信じ、仲間を増やし、今この瞬間も挑戦をしている。そして、三宅健、平野紫耀と神宮寺勇太、IMP.、大東立樹、北山宏光、12人の仲間が集まったこの3カ月。この時間の本質は、TOBEというチームのすべてを見せることにこそあったのだと思う。新たな門出に立ち、彼らチームTOBEが戦ってきたものとは、果たしてなんだったのか。
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“時代はいつも1人の強い想いからはじまります”――。これは、TOBEのオフィシャルサイトに刻まれた言葉だ。滝沢が生きるなかで、その目でみてきたもの、実感。TOBEの掲げるこの言葉には、そういったことが彼と地続きのアイデンティティに根ざしている。
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滝沢は常に世界を見ている。彼はTOBEのコンセプトに「新たな時代」(new era)、「次の世界」(next world)というワードを掲げていた。
思えば、TOBEの所属アーティストもそうだ。三宅は、「僕のことを知らない世界の方々に向けても、僕たちが作るエンターテインメントを頑張りたい」と話していた。神宮寺は「僕たちが発信するエンターテインメントで世界中の人たちを笑顔にできるような景色を見せていきたい」と語り、平野は「これからいろんな色をつけていって、どんな色になるのか将来を楽しみにしながら、みんなと一歩一歩進んでいきたい」と言っていた。北山は、所属を発表した時に「覚悟を持ってこうして立っている」と話した。
それらは、世界に対して何かを引き受けたように思えた瞬間でもあったし、本当にその通りなのだと思う。無数の自問自答による痕跡がこの言葉には詰め込まれ、そうして放ったもののように思えた。その“正解”、もしくは“正解のなさ”については、きっと今後彼ら自身のなかから出てくると思う。
IMP.と三宅、あるいはTOBEは、楽曲を“世界同時配信”することにこだわっているように思う。すべて“世界”へ向けて、違う場所にいても同じ時から聴くことができるように工夫をしている。それはつまり、滝沢が広げようとしている新たな時代、それに対する圧倒的な上位概念として、“世界への視線”が存在するということなのかもしれない。
たとえばIMP.の「CRUISIN’」。この曲は、TOBEアーティストがリリースした最初の音楽作品である。爽快感のあるポップパンク調のアップチューン、覚えやすい振り付け、プラクティス動画で認識する完成度の高さ、ストーリー性のあるMV。そのすべてが3分26秒という短さに収められた。これがTOBEが世界へと示した、新たなスタンダードだった。
このスタンダードを構成するサウンドを作り上げたクリエイター陣の名を見ても、意思表示のひとつとして取れると思う。作曲クレジットに並ぶのは、Avin、Slay、Chase、Rocoberryの4人の名前。全員が韓国のアーティストである。彼らの元来の主戦場であるK-POPシーンにおいても言えることだが、今、音楽シーン全体でポップパンクのリバイバルが起こっている。それも、流行だからと波に乗るだけにとどまらず、今ならではの新視点、新解釈、新機軸をどのアーティストも打ち出しているところがこのリバイバルの面白い点でもある。それは、「CRUISIN’」においても同じだ。覚えやすいポップなメロディライン、ヒップホップとのクロスオーバー、トラップミュージックも取り入れ、ラップの要素も混在している。どこを取ってみても、世界のトレンドに呼応した楽曲と言えるものとなった。