
「日本は治安がいい」とはよく言われるが、海外旅行にいった人の体験談を聞くと、なるほど確かにそうだと感じさせられる。Web漫画『海外旅行初日からスリに遭いました。』は、まさにタイのバンコクに行った時に遭遇したトラブルをまとめた内容で、これが役立つだけでなく旅行記としても興味深い。作者は市川ヒロシさん(@ichikawahiroshi)。制作当時の心境やエッセイ漫画を描くことについて彼に話を聞いた。
――こちらは3年前の作品となります。なぜXに掲載したのでしょう。
市川ヒロシ(以下、市川):3年ほど前の作品でまだ読んでいない読者の方もいますし、単行本化の予定もなかったので、SNSの体験談漫画として改めて載せたんです。
――制作当時のことも教えてください。
広告の後にも続きます
市川:コロナ禍前の2019年の11月頃かと思います。東南アジアにはよく行っていたので、気を抜いた状態だったんですよ。そうしたら初日にスラれてしまって……。それについて当時Twitterで近況報告をしていたら、知り合いの出版社の方が「貴重な体験をされたのなら、ぜひ書いてください」と。
個人的にも「いいネタをもらった」という感じで、一生のうちにこういう体験もありかなと感じていたのも事実。5日ほどの旅行でしたが、振り切って楽しんでやろうと思ってました(笑)。盗まれた時の緊張感とかめちゃくちゃな警察と出会ったところは漫画らしく、面白おかしく描いた思い出があります。
――クレジットカードの不正利用も描かれていましたが、内容は確認されました?
市川:詳しく何を買ったかは記載がありませんでしたが、バンコクでスラれたのに1時間以内ではるか南のプーケットのホテルで使われていたらしいんですよ。ホテルのブティック的な店で宝石やブランド品など約200万円ほど購入されていたと。恐らく犯罪グループがバンコクで使うと足が付くということで、カード番号を仲間に連絡したんでしょうね。
また財布のなかにはクレジットカードが2枚入っていたのですが、もう1枚の方はストップがかかっていたんです。そちらも200~300万ほど使われそうになったらしいのですが、これまでの使用を考えると怪しいということで止められたみたいです。海外旅行に行くときはお金を3カ所くらいに分けて、ひとつを落としたりスラれても大丈夫にしておいた方がいいと思います。
――SNSに掲載する漫画は、最近の作品『もくもく もくのキャン』や『里村さんの欲望ダダ漏れごはん』と比べて描き方は違いますか。