小容量の缶ビールを販売する理由は?
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缶ビールといえば350ミリリットルが一般的なサイズですが、スーパーに行くと、「135ミリリットル」「250ミリリットル」の小容量タイプの缶ビールが売られていることがあり、不思議に思った人は多いのではないでしょうか。SNS上では、「墓前用」「高齢者にはちょうどいい」「祭りのときに配られる」など、さまざまな意見が上がっています。
ビールメーカーは、なぜ小容量の缶ビールを販売しているのでしょうか。小容量商品を発売した時期や狙いなどについて、アサヒビール(東京都墨田区)、キリンビール(東京都中野区)、サントリー(東京都港区)の3社に聞きました。
「少量で飲み切る」「ちょい足し飲み」に対応
アサヒビールの広報担当者によると、同社が最初に発売した小容量の缶ビールは、250ミリリットルの「アサヒ本生ミニ缶」で、1981年5月に愛知県、岐阜県、三重県で先行販売を開始しました。また、1984年5月には、135ミリリットルの「アサヒ生ビールスリム缶135」を東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県で最初に発売。この商品は、「ミニスリム」という愛称で親しまれていたということです。
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その後、アサヒビールは、1987年3月に“キレのある辛口の生ビール”をコンセプトにした「アサヒスーパードライ」を発売し、同商品の135ミリリットル缶を同年9月、250ミリリットル缶を1988年4月にそれぞれ発売し、現在に至ります。
「アサヒスーパードライ」の小容量缶を販売している理由について、担当者は「『お酒があまり強くないから、少量で飲み切れるサイズのものを飲みたい』『体のことを考えて飲み過ぎないようにしたいから、少しだけ飲みたい』といった、お客さまの“小容量ビールのニーズ”にお応えするために販売しています」と説明しました。
実際に小容量缶の購買層は、60~70代の女性が全体の4割超を占めており、ビール類の消費量が少ない人が購入するケースが多いということです。
商品については、「『お酒はあまり強くないけど、ちょうど飲み切れるサイズのビールでうれしい』『健康のためにあまり飲み過ぎたくないときにちょうどよい』といった声をいただいております。また、贈答用として購入する人もいらっしゃいます」と回答。
このほか、「休日の昼間に少しだけ飲みたいときに良い」「料理前に軽く景気づけに飲むのに良い」「350ミリリットル缶1本や、500ミリリットル缶1本では物足りないときのちょい足し飲みに良い」「2種類の飲み物を組み合わせる『ハーフ&ハーフ』のような飲み方で楽しむときにちょうどよい」などの声も寄せられているということで、小容量缶は、普段からよくお酒を飲む人からも高い評価を得ているのが分かります。
「炭酸が抜ける前に飲める」と評価
次に、キリンビールマーケティング部ビール類カテゴリー戦略担当の柴田昂希さんに聞きました。柴田さんによると、キリンビールは、ビール消費の多様化に対応する目的で、1981年5月に初の小容量缶ビール「キリンビールポケット缶(250ミリリットル)」を地域限定で発売しました。