「野食ハンター茸本朗」(登録者数26万人)は9月18日、「ザ・毒キノコ!ベニテングタケ出汁のソバで、キマってみた」と題した動画を公開しました。
かつお節の約10倍の旨味を持つ毒キノコ
茸本朗(たけもとあきら)は一般に食べられていない魚や植物などを食べる「野食ハンター」で、ゲテモノを食べる動画に定評があります。
今回茸本が食すのは、赤い傘に白いイボが特徴的な毒キノコのベニテングダケです。ベニテングダケには幻覚や酩酊作用を引き起こす毒があり、食用にされているタマゴタケと見た目がよく似ています。
白いイボはベニテングダケにのみ現れますが、水に濡れると見えにくくなってしまうため「ツブツブだけで判断するのは危険」と茸本はいいます。正しい見分け方について「タマゴタケは傘の裏と柄が黄色に、ベニテングダケは傘の裏と柄が白色になっている」と説明しました。
茸本によると、ベニテングタケの毒成分であるイボテン酸には、かつお節や煮干しに含まれるイノシン酸の約10倍の旨味があるため、毒があるにもかかわらず日本の一部地域では食用にされてきたそうです。現在、幻覚作用のあるマジックマッシュルームの多くは日本の法律で使用が禁止されていますが、ベニテングダケについては「麻薬として取り扱われる成分を含んでいるわけではないため、法律上の規制がないタイプ」と茸本は語ります。
昔の食べ方を味わいつつ、毒キノコでキマってみる
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今回の企画の趣旨として茸本は、
別に反社会的な行為をするわけではなく、単純にベニテンでキマって見るとどうなるのかな?ついでに昔の食べ方をしてその美味しさを味わってみようという2つのテーマが今回あるわけですね。
と話し、いよいよベニテングダケの調理に移ります。
参考にするのは長野県東部の小諸に伝わる調理法で「ベニテングダケを乾燥させ、うどんやそばのだしを取る」というものです。乾燥保存では毒は抜けないため、茸本に言わせてみれば「旨味は取り出せるが、リスクを取っている食べ方」であるようです。細かく割いたベニテングダケを干し、弱火でじわじわ煮込んでだしを取っていくと、黄色い色素が溢れだしてきました。これにしょうゆとみりんで味付けし、そばに注いで完成です。
「世界が眩しく見えて、お酒に酔ったみたい」
味わってみた感想としては「煮干しの魚臭さを限りなく減らして、ちょっと焦がしたココナッツの香りをのせたみたいな感じ」「香りに慣れればうまい」とコメントしていました。スープは数口味わうだけにとどめましたが、「本当に10倍の旨味を感じる」とのこと。
食べてから1時間後、茸本は「世界が眩しく見えて、お酒に酔ったみたいな酩酊感がある」と自分の体に起きた変化を説明しました。以前にベニテングタケを食べたときは吐き気に襲われて戻してしまったそうで、「わりと吐き気を覚悟していたんですが、ふわっとした高揚感と少し世界が眩しくなるだけで終わったので、良かったんだけどちょっと拍子抜け」と話していました。最後に、ベニテングダケを採ることを「お勧めはしない」としつつ「今回の知見を踏まえれば1回干してから調理するのはまあ、いいかもしれない」と動画を締めくくりました。
動画のコメント欄では、
タマゴダケとの基本的な丁寧な見分け方とか、毒キノコ食べてみるとかほんと丁度いい知識欲を攻めて来るのが本当に好きです。最高です!
確実に目がキマってるから今回食べた量で結構ヤバいレベルと思うなぁ
旨み成分かつ毒成分が含まれたキノコ マジで今まで以上に特殊調理食材感が強いな