
セントライト記念2023
[GⅡセントライト記念=2023年9月18日(月曜)3歳、中山・芝外2200メートル、菊花賞トライアル]
18日、中山競馬場で行われたGⅡセントライト記念(芝外2200メートル)はモレイラ騎乗のレーベンスティール(牡・田中博)が快勝し重賞初制覇を達成。2着ソールオリエンス、3着シャザーンまでがGⅠ菊花賞(10月22日=京都芝外3000メートル)の優先出走権を獲得した。
ソールオリエンスとの10か月ぶりの再戦でリベンジを成し遂げた素質馬が次に進むステージは果たして?
90~00年代は西高東低の図式の中で、セントライト記念は菊花賞トライアルの中では〝傍流感〟も強かった。しかし今年は春2冠1→2着のソールオリエンスの参戦が77回目を迎えた伝統のGⅡの重みをグンと深めた。その物差しと接戦、はたまた先着を果たせばGⅠ制覇が現実的な目標となってくる。
その皐月賞馬は直線で大外を回って上がり34秒0をマークし2着。通ったコースの差こそあれ、先に抜け出し最速33秒9の上がりを計時したレーベンスティールの資質もやはりGⅠ級と言い切っても暴論ではない。そして素質馬がベールを脱いだカギが強力鞍上と陣営の勝負モードだ。
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GⅡ制覇の使命を託されたのは18年シーズン以来の短期免許を取得した〝マジックマン〟ことモレイラ。金曜(15日)の追い切りで初コンタクトを取ったブラジル出身の名手は「非常に高い能力を感じていました。自信を持ってレースに臨めましたしいいパフォーマンスができました。特別な馬になる可能性が高いですし、GⅠ馬になるチャンスを秘めています」と多少のリップサービスを差し引いても高い評価をパートナーに与えた。そして管理する田中博調教師も「非常に上手にスタートからゴールまでスムーズに運んでもらえたことが、これだけのポテンシャルを見せられた一番の要因」と鞍上に最大限の賛辞を贈った。
もちろん〝腕〟だけで勝てるほど重賞は甘くはない。〝ここが目標〟ゆえにきっちり仕上げたことで能力がフルに引き出されたことも事実だ。「新馬戦(2着)の時もしっかり仕上げたのですがソールオリエンスに負けてしまって…。最終的な目標は決めず、まずは〝ここを勝つこと〟を目標に取り組んできました。精神的に高ぶる面が課題の馬ですが、しっかり仕上げてもコントロール性が向上して、折り合いがついていました」と同師は高い負荷をかけても〝暴走〟しなかったメンタルに確かな成長を感じ取った様子だ。
晴れて重賞ウイナーとなり次に進むステップはもちろんGⅠ。菊花賞参戦に関しては明言を避けたが「ジョッキーは2000~3000メートルはこなせると言ってくれました。もちろん菊花賞も選択肢に入りますが、オーナーサイドと相談してこの馬の適性を見極めてベストの選択をしたい」と同師。果たしてラスト1冠に進むのか、それとも古馬に挑戦するのか? 陣営のチョイスを注視したい。