●アーセナルがまたも接戦で勝利
プレミアリーグ第5節、エバートン対アーセナルが現地時間17日に行われ、0-1でアウェイチームが勝利している。今季のアーセナルは開幕から僅差での勝利が多く、降格圏に沈む18位のチーム相手でも1点差ゲームとなった。決して完勝とは言えないが、危なげない盤石の勝利だったと言い切れる。その理由とは?(文:安洋一郎)
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エバートン対アーセナル ハイライト
アーセナルにとってグディソン・パークでのエバートンとの一戦は、今季のこれまでの戦いぶりを象徴するような試合だった。
前節終了時点でミケル・アルテタ監督率いるチームは3勝1分と負けなしだが、昨季のように相手を圧倒する試合を展開することができていない。その証拠に、3勝のうち2試合が1点差であり、2点差がついたマンチェスター・ユナイテッド戦も90+6分に勝ち越しといずれも接戦だ。
今節のエバートン戦も例外ではなく接戦となった。なかなかゴールへの活路を見いだせず、スコアレスの時間が長く続いたが、それでも69分にレアンドロ・トサールがセットプレーの流れからネットを揺らすことに成功。このゴールを守り抜いて1-0の勝利を収めている。
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スコア上では確かに1点差だったが、アーセナルからすれば盤石の勝利だった。そう言い切れる理由とは?
●アーセナルがエバートン守備陣をなかなか崩せなかった理由
今節を振り返る前に、まずは今のエバートンの状況を整理しよう。
エバートンは4試合を消化した前節終了時点で、1分3敗とクラブワーストの開幕スタートとなっている。苦しんでいる最大の要因は得点力不足だ。シェフィールド・ユナイテッドとの前節で、今季47本目のシュートが初めて得点に結びつくほど、敵陣ゴール前で精彩を欠いている。
一方の守備は、マイケル・キーンが2失点に関与した2節のアストン・ヴィラ戦以外は1失点が2試合、2失点が1試合とそれなりに機能をしている。ショーン・ダイシ体制が2季目となり、彼のチームの真骨頂である身体を張ったシュートブロックの場面が増え、大ポカを連発してベンチに降格したキーンに代わってスタメンに抜擢されているジャラッド・ブランスウェイトも安定したディフェンスをみせている。
話を今節に戻すと、アーセナルはこのセットされたエバートン守備陣を崩すことに苦戦を強いられた。ダイシのチームは、自陣に撤退するとWGも最終ラインに吸収されて6バックで守るため、ライン間のスペースが少なく、仮にシュートを放てたとしても守備の柱であるジェームズ・ターコウスキらのブロックにあった。結果的にエバートンはこの試合だけで、6つのシュートブロックを記録している。