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銃で撃たれたヘラジカがおばあさんに助けられる。自然に帰った後も必ず会いにやってくる

カラパイア


 動物の命を奪うのも人間なら、救うのもまた人間だ。そして動物たちの中には、助けてくれた恩を忘れない義理堅いタイプもいる。

 北欧ノルウェーで、森を散歩中のおばあさんは、猟師に撃たれて瀕死の状態のヘラジカを発見した。

 おばあさんはヘラジカを助け出して自宅に連れ帰り治療をした。その甲斐あって、ヘラジカは元気に回復し、森の中へ帰っていった。

 だが、その後何年も、おばあさんに会いに家にやってくるようになったという。



シカが81歳の女性に助けを乞う。次に何が起こったか、あなたは信じないだろう

銃で撃たれたヘラジカを助けたおばあさん

 ノルウェーの穏やかな風景の中で、種の境界を超えた心温まる物語が展開されたのは、今から何年も前のことだ。

 小さな町の郊外に住んでいた当時70代のエラさんは、近くの森への散歩を日課としていて、その日も自然の美しさに浸りながらゆっくりと森の中を歩いていた。

 その時、銃声が轟いた。それは、割と近くで聞こえ、エラさんは猟師がヘラジカを狙って銃弾を放ったのだろうと察した。

pixabay

 ノルウェーでは、ヘラジカの肉は食用に好まれていて、猟師が森でヘラジカを仕留めることは決して少なくなかったからだ。

 森の奥にエラさんが歩みを進めていくと、傷を負って苦しそうに道に横たわっている若いヘラジカを見つけた。

 先ほど聞いた銃声は、やはりこのヘラジカを狙った猟師のものだったのだ。

 エラさん自身、ヘラジカの肉を好んで食べていたが、猟師に撃たれたヘラジカが苦しんでいるのを見るのは耐えられないと思った。

 もし自分が助けなければ、狩猟者はヘラジカを見つけてその命を絶ち、肉や角として利用するだろうことをよく知っていた。

 ヘラジカの角も貴重とみなされていて、多くの猟師が角を切り取って販売している。

 角の形が特徴的であればあるほど、そのヘラジカは漁師に狙われ命を落とす可能性が高いという。

pixabay

 エラさんは、なんとかして目の前のヘラジカを助けてあげたいと思った。

 幸い、ヘラジカはまだ子供のようで、エラさんがなんとか両手で抱えることができた。

 必死の思いで、怪我をしたオスのヘラジカを自宅に連れて帰ると、エラさんは治療を始めた。

献身的な看護のおかげでヘラジカは怪我から回復

 エラさんは、ひとまず食べ物と水を与えたが、ヘラジカは食べようとしなかった。

 そこで、消毒剤と包帯で傷を治療することにした。

 普通の鎮痛剤が、動物にどのような影響を与えるかわからなかったが、とにかく試してみる価値はあると、エラさんはヘラジカに鎮痛剤を投与した。

 その後、ヘラジカを分厚い毛布で覆い、一晩生き延びてくれることを望みながら、ベランダで休ませた。

 翌朝、嬉しい驚きがもたらされた。

 エラさんがベランダの様子をうかがうと、ヘラジカは生き延びていた。

 また、頭を持ち上げることもできるようになっていて、そばに置いておいた餌と水もなくなっていた。

シカと友情を築き始める

 次の数日で、ヘラジカは徐々に力を取り戻し始めた。

 エラさんは包帯を定期的に交換し、傷口を清潔に保ちながら手当てを続けた。ヘラジカはエラさんに心を開いてくれたようで、おとなしく治療を受けたという。

 傷は思ったよりも深くなく、ヘラジカが感染症にならなかったのは、まさに幸運といえた。

 その頃になると、次第にエラさんとヘラジカの間には、信頼と思いやりの上に築かれた友情の絆が芽生えるようになった。

 やがて、健康状態が良くなったヘラジカは、ベランダから出て、エラさんの庭をゆっくりと歩き探索し始めた。

 まだ前足の傷のせいで、少し足を引きずっていたが、順調に適応しているように見えた。

 エラさんは、ヘラジカに餌を与え、水を与えて世話をし続けた。その献身的な世話とシカの生命力の強さが、彼の回復を早めたようだ。

 まるで、撃たれたことなどなかったかのように、ヘラジカは再び普通に歩くことができるようになったのだ。

 次の数か月間、ヘラジカはエラさんの自宅近くに留まり、日に日に元気になる姿をエラさんの近くまで見せに来た。

pixabay

何年経っても会いに来てくれるシカとの間に築かれた強い絆

 夏が近づくと、ヘラジカはさらに森へと足を踏み入れるようになり、何日もエラさんの家から遠ざかった。

 エラさんにとってみれば、元気に回復したヘラジカが森へと帰ったのは喜ばしいことだった。

 だが、彼はまた戻ってきたのだ。

image credit: youtube

 エラさんは、冬になると毎日訪ねに来てくれるヘラジカを撫でたり、餌を与えたりするのを心待ちにするようになった。

 ヘラジカは、どれだけ年月が経っても、助けてくれた恩人を決して忘れなかった。

image credit: youtube

 立派に成長した大きな角で、ヘラジカはエラさんの家の窓をそっと叩いて、彼女に自分が来ていることを知らせるそうだ。

image credit: youtube

シカは窓のところに来ると私を待っているの。

私が窓のカーテンを開ける前に、シカがカーテンの隙間から私がいるかどうか覗こうとしている姿が見えているのよ。

私に、「あのとき助けてくれてありがとう。おばあさんのことは忘れていないよ」って伝えに来てくれているとしたら、とてもうれしいことだわ。

それに、シカは私がパンをあげるのをいつも待っているの。

立派に成長して、美しくなって、大きな角を持っているの。冬になると、より頻繁に私のところに来てくれるのよ。


image credit: youtube

 現在81歳のエラさんは、もう何年も続けている日課となったヘラジカとの交流の時間を、とても大切にしていて、自身の喜びの源になっていると話している。

 最初に出会ったときから育まれた種を超えた「友情」という絆が、エラさんとヘラジカとの間には永遠に築かれているのだ。

 おばあさんとヘラジカの物語は、すべての命が貴重であり、親切な行為はたとえどんなに小さなものであっても、深く永続的な影響を与える可能性があることを、教えてくれているのかもしれない。

References:Woman hears knock window to find an friend she rescued years ago/ written by Scarlet / edited by parumo

 
   

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