
東日本大震災の復興支援を目的に自転車で被災地を巡る「ツール・ド・東北2023」(河北新報社、ヤフー主催)が16、17の両日、宮城県石巻市などで開かれた。全国から2日間で計約1900人が参加し、復興の進む沿岸部を駆け抜けた。
ツール・ド・東北はタイムや順位を競わず、完走を目指すイベントで、2013年の初開催から今回で10回目。2日目の17日は石巻市や女川町などを巡る65~210キロの4コースが用意された。
参加者は石巻専修大のスタート地点で犠牲者に黙とうをささげた後、午前5時半からコースごとに出走。海岸沿いや山あいの景観を楽しみながら、休憩地点では地元の食材を使ったカレーやうどんなどに舌鼓を打った。鉄骨がむき出しになっている南三陸町の旧防災対策庁舎など震災遺構の写真を撮る参加者の姿も見られた。
群馬県大泉町の会社員内田祐紀さん(42)は100キロコースに挑戦した。行く先々で津波の到達地点を示す表示板を目にしたといい、「こんな所にまで津波が来ていたのかと、被害の大きさを改めて実感した」と話した。