
アメリカ・フロリダ州で今月8日、高速道路に謎の黄色い線が出現し、ドライバーを困惑させる事件が発生した。
アメリカの東海岸を南北に結ぶ州間高速道路、 I-95に引かれたこの線は、距離なんと37kmにもおよんだ。
まぎらわしい黄色の線は、車線の境界線を頼りに運転する人間のドライバーだけでなく、自動運転技術を搭載した車にも影響をおよぼす懸念が生じ、交通局が呼びかけを行う事態にまで発展した。
だがその後、この線が現れた理由が明らかになる。
Mysterious yellow line across I-95 has drivers confused and concerned
高速道路に出現した謎の黄色い線
メディアによると謎の黄色い線は、今月8日、アメリカのフロリダ州の州間高速道路I-95の南に向かう車線上、ジャクソンビルからセントオーガスティンまでの約23マイル(約37km)にわたって出現した。
この黄色線が厄介なのは、レーンを区切る白い境界線と同様、道路にほぼ並行して引かれてるところ。
かといって完全な直線でもないため、境界線を頼りに走るドライバーを困惑させた。
高速の入り口でも、どこを目指せばいいのか迷う車が続出、ちょっとした渋滞が発生するほどだった。

車線に迷い事故を心配するドライバーも
実際、黄色い車線に出くわしたドライバーの一人、マリオ・ディアマス氏は「どこをどう走ればいいのかいいのか迷った。慣れるまでしばらくかかったよ」とコメント。他にも「事故が起きそう」という声もあった。
ここが地元のリチャード・アルバンディさんはこう語る。
「この道路に慣れてるならまだしも、よそからきて境界線もろくに気にせず走るドライバーも多い。そういう人は先に進むことしか考えてないからね」

自動運転車への影響を懸念
さらに困ったことに、この黄色い線は人間のドライバーだけでなく、自動運転技術を搭載する車にも影響をおよぼす懸念があった。そのため管轄のフロリダ州交通局は、調査にかかると同時に、一般のドライバーに黄色い線を無視するよう呼びかけるほか、以下の機能がある車のドライバーに、製造元に問い合わせるようアドバイスした。
・車線のはみ出しを知らせる「車線逸脱検出機能」
・車線変更時に後方の死角を検知し、危機回避をサポートする「ブラインドスポットアシスト」
・設定した速度を維持して走行する「クルーズコントロール」

正体はトラックから流出した塗料。当局が清掃を発表
その後、この謎の黄色線がなぜ現れたのかが明らかになる。フロリダ州交通局公式によると、トラックからの漏れ出した黄色い塗料だという。なお今月12日の現地情報によると、その後当局が、黄色い線を除去する清掃作業の開始を発表したそうだ。
作業は、高速道路の交通制御や安全維持などのサービスを行う専門企業、アクメ・バリケード社が請け負い、高圧洗浄で線の除去を行うことに。
また高圧洗浄に向かないアスファルト部分には化合物を噴霧して、残った塗料をカバーするという。清掃期間は9月12日夜から9月13日早朝にかけてで、すでに始まってるとのことだ。

幸い事故報告はゼロ。車の点検が教訓になる事件
この塗料漏れの責任者や、詳しい原因などはいまだ不明だ(2023年9月15日現在)しかし幸いなことに、現時点でこの黄色い線による事故報告などはなく、清掃も順調に進んでいるもよう。
一方当局は、ドライバーに対して清掃作業中の車両から十分な距離をとり、安全運転するよう呼びかけているが、事件については「高速道路に進入する前の車両点検や、日々のメンテナンスの重要性を改めて痛感させる教訓のようなもの」とだけ述べてるそうだ。
References:kwtx / wlox / youtube など /written by D/ edited by parumo