
友人が開催した新年会で出会った年上の彼
千葉県在住の麻帆さん(仮名・31歳/看護師)が30歳を過ぎて出会ったのが、無口で大人の雰囲気がある48歳の彼でした。「彼と出会ったのは、学生時代の友人が開催した新年会です。新年会には友人の職場の人も何人か来ていて、その中の一人が彼でした。彼は大勢が集まる飲み会が苦手な様子で、隅の方に座ってひとりでお酒を飲んでいました」
ワイワイ盛り上がる新年会の中、静かに一人でお酒を飲む彼の姿に魅力を感じたという麻帆さん。麻帆さんの方から彼に話し掛け、連絡先を交換。その後何度か会う内に、交際へと発展していったそうです。
順調に見えた交際でしたが、麻帆さんは彼と付き合う内にある悩みが出てきたと言います。
念願叶いディズニーデートの約束を
「実は私、ディズニー好きなんです。だから、彼にディズニーデートがしたいと何度かお願いしました。でも彼は、人がいる場で騒ぎたくないとか、行列が苦手だしできれば外にも出たくないとかで断られてしまって」ようやく彼とディズニーデートの約束ができたのは、付き合ってから半年後の事だったそう。
「OKをもらったときはすごく嬉しかったですね。私が今までディズニーランドで楽しかった体験や思いを、好きな彼と共感できると思うと幸せな気分になって。クールな彼がどうやったらディズニーランドを楽しめるかと、いろいろなプランを考えました」
なんとか漕ぎつけたディズニーデートは、彼の仕事が終わった平日の夕方からでした。
「それまでディズニーランドに行くときは、いつも朝イチの入園だったんです。だから、彼とアフター5で行くディズニーランドは少し大人な雰囲気を感じて、興奮していました」
職場まで高級車で迎えにきた彼に興奮
仕事が終わった彼は、スーツ姿に高級車に乗り、麻帆さんの家まで迎えに来てくれたそうです。「自分より人生経験があって、経済的にも自立している大人の彼が魅力的に見えて。スーツ姿の男性が運転する高級車って本当に素敵だなと、あの時はウットリしていましたね」
車内のいい香りと低音の音楽が響く高級車の中で、麻帆さんのテンションはさらに上がっていったそう。
「普段から口数の少ない彼でしたが、私の為に自分が苦手なディズニーランドに一緒に行ってくれるのが嬉しくて、前日はあまり眠れませんでした」
年が違っても、こうしてお互いの興味や関心を認識したり、寄り添ったりしていきながら少しずつお互いの距離を詰めていく、彼は運命の人なのではと麻帆さんは思ったそう。
ディズニーが見えたのにスルーして

ディズニーランドに着いたかと思ったら、なぜか車はディズニーランドの前を通り過ぎたそうです。
麻帆さんは慌てて彼に、道を間違えていることを伝えました。すると彼は、「もっと楽しい夢の国に行こう」と言って、そのまま車を走らせたそうです。結局、車がついたのはラブホテルでした。
「実は、予約していたレストランもありました。そのことを彼に伝えると、『ああ、そうなんだ』で会話が終わりだったんです。その瞬間、私の中で何かが崩れ落ちるのを感じました」
ホテルに着くと、彼がシャワーに入っている間にホテルを飛び出した麻帆さん。そこからタクシーに乗って、そのまま1人でディズニーランドに駆け込んだそう。
「1人ディズニーは少し切なかったですが、彼との間に起きた出来事をどうしても頭から消し去りたくてあの時は必死でした」
年上の彼と別れてから、麻帆さんは“ディズニーデートを楽しめる人”を付き合う条件に入れているそう。麻帆さんが、趣味の合う彼氏と一緒に楽しいデートができることを願います。
<取材・文/maki イラスト/松井レナ>