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松重豊、大河ドラマの撮影を振り返る「いつの間にか家臣団の絆も深まっていました」<どうする家康>

WEBザテレビジョン

松本潤が主演を務める大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第34回「豊臣の花嫁」が、9月3日に放送された。同ドラマで、石川数正を演じた松重豊からコメントが届いた。

■古沢さんが戦国の世をどう料理されるのだろうと…

――今作のオファーを受けた理由をお聞かせください。

「古沢良太さん」「家康」「数正」、この3点が今回参加させて頂きたいと思った理由です。大河ドラマというと、戦国時代と幕末が多いという印象でしたが、中でも、今回は王道の徳川家康がテーマ。現代的解釈もできそうな徳川家康、そして謎に包まれた石川数正という武将に、歴史好きの私としてはひかれました。

そして何より、参加したいと思ったきっかけは、脚本が古沢さんだったこと。謎多き数正を含め、名うてのシナリオライターである古沢さんが戦国の世をどう料理されるのだろうというのが一番興味を持ったポイントでした。

■支え合って乗り越えてきたという思いでいっぱい

――撮影を振り返っていかがですか?

昨年の夏、名古屋でクランクインしてから1年以上が経ちました。甲冑(かっちゅう)の重みに耐えながらの長時間撮影や、土砂降りの中で戦うなど過酷なシーンもあったりする中で、いつの間にか家臣団の絆も深まっていました。

一丸となって乗り越えようという意識で作品と向き合ってきましたが、家臣団の関係性は、現場外でも続いています。家臣団のLINEグループなるものが出来て、そこでも日常的に情報を共有し合っています。撮休の人が「今日も頑張って」と送ってくれるなど、コミュニケーションを重ねながら、みんなで支え合って乗り越えてきたという思いでいっぱいです。

■数正は、苦しさや葛藤も抱えていただろうと想像しました

――大河ドラマは“昔話”ではない、とお思いになられますか?

最初は小さな会社だった“徳川商店”。今川家の人質時代から家康を支えている古参の家臣たちに、平八郎・小平太・直政のような若いメンバーも加わってきました。小さな会社がじわじわと大きくなり、運良くどこにも飲み込まれず、何とかここまでやってきた。家康は本当に運がいいなと思います。演じる上でも、家臣団内の位置関係、上下関係、人間関係を、僕らが生きている現代に落とし込み、「もし“徳川商店”に務めていたら…」とリアルに考えていました。

大河ドラマといえど、決して昔話ではないと思うんです。社会の在り方も変わり、僕らがここ20~30年の間に経験して“当たり前”と思っていたことが、既に“当たり前”ではなくなっている。まして1600年前後には、さらに大きな変革期があったでしょうし、それにどう対応していくか、どうすれば生き残れるかというのは、まさに現代を生きる僕らも突きつけられている現実だと思います。大河ドラマを見て「俺たちの会社のことを言っているかもしれない」と思えたり、時代は違えど身につまされる思いになったり。そういう視点でご覧頂くこともできるのかなと思っています。

そう考えていくと、第34回で描かれた出奔に関しても、数正にとっては“組織で働く”ことの葛藤や難しさがあったのだろうと。小牧長久手の戦いで勝利はしたものの、勝ったのは偶然と捉えていたのは、家臣団の中で数正だけだったのかもしれません。天下を取る戦国大名がどれだけ海外と交流し、どれだけの武器を手に入れ、どれだけ強大な勢力になっているか。現実を見極める力が、家臣団にはまだそれほどなかったのかもしれません。だからこそ、いろいろなことに気づく目を持っていた数正は、苦しさや葛藤も抱えていただろうと想像しました。

■”これしかない”と納得する形で終えることができました

――数正の出奔についてはどのように捉えていますか?

今川家人質時代、家康は15歳、恥ずかしながら僕は24歳の設定で演じていました。どう考えても24歳には見えなかったと思いますけど(笑)。ようやくここにきて、みんな月代ができてひげも生やして、実年齢に近付いてきました。数正の出奔が53歳頃かと言われていますが、当時の53歳と言えば、現代の感覚よりはるかにおじいさんだと思います。

人生50年と言われている頃の53歳ですから、よろいを着て戦うのも大変だったでしょう。それでも昔の武将は日没までで戦を追えますが、「どうする家康」の武将達は日没関係なしに夜遅くまでスタジオで戦います。よろいの重みに耐えながら動くと身体的に大変で、僕自身、本当に「合戦はもうこりごり」という気持ちにもなりました(笑)。53歳にもなれば、「心の底から平和な世が来て欲しい」「もうよろいを脱ぎたい」と思うのは、数正のリアルな気持ちだったのかもしれないと思いました。

史実から考えられることはいろいろあるでしょうけれど、あくまでドラマはフィクション。作品によって異なる解釈があり、それによって人物像も演じ方も変わってきます。数正に関しても、金に目がくらんだとか、完全に調略されたとか、嫌になったとか、実は家康側のスパイだったとか…史実から想像すると出奔の理由にはさまざまな考え方があると思います。

ですが、今作には今作なりの、映像では描かれていない裏設定も含め、家臣団が積み上げてきた時の流れや絆がある。それを踏まえてどう描くのか、僕自身も楽しみにしていましたが、実際かなり悩まれたそうです。第34回の原稿があがってくる度に拝読し、台本が完成する過程を見ていましたが、描かれ方が少しずつ変化していました。

演じる上では、数正が出奔するというのは動かせない史実としてあるので、それを視聴者の皆さんにどう納得してもらうかというのを軸に考え、現場でいろいろとやらせていただきました。松本くんともコミュニケーションをとりながら進めましたが、最終的には家康と数正、松本くんと僕の関係性がリンクするような形になったかなと思っています。僕としては”これしかない”と納得する形で終えることができました。

■涙が出そうになるほど「松本くん頑張れ!」と思っている

――視聴者の皆さんへメッセージをお願いいたします!

大河ドラマは撮影期間も長丁場。監督も各話ごとに変わるように、誰か一人がリーダーシップをとって作るものではない。みんなで作り上げるものだと思っています。実際、昨年6月に撮影が始まってから1年以上、座長である松本くんを中心に、みんなで、作品と向き合ってきました。せりふのやり取りの前に、「このシーンをどう組み立てたら次のシーンにつながるか」という物語の整合性から、「あのシーンこう撮ったけど、本当はもっとこうした方が良かったかな」という反省も含めて…絶えず話し合いを続けながら作品づくりをしてきました。振り返ると、僕らが「徳川家康」という題材をかりて、チームプレーが試されるゲームをずっとやり続けていた感覚です。

僕は一足先にクランクアップしましたが、アップした今でも、松本くんや家臣団がどうしているかなというのはずっと心の中で考えていて。心のどこかでは心残りな部分もあります。今後どうなっていくか心配な部分もありますが、ただ、松本くんはお世辞抜きで、本当に頑張っていると思っています。僕含め、年長組がどんどんいなくなり、撮影現場はじきに彼が年長者になるでしょう。今日も現場を引っ張って作品と向き合っているのだろうと想像すると、涙が出そうになるほど「松本くん頑張れ!」と思っている自分がいます。

徳川家康という人は、運良く、天下をとるまで生き残る人です。天下をとった家康、そして演じきった松本くんの晴れやかな顔を、日本中の人たちに見守って頂けたらと思います。最後までどうか、あたたかく見守って下さい。
 
   

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