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金田乱闘事件、公開手打ちのはずが……/週べ1965年5月3日号

週刊ベースボールONLINE

 今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

阪神・藤本定義の口撃



表紙は巨人・長嶋茂雄


 今回は『1965年5月3日号』。定価は50円だ。

 前回、後楽園の開幕シリーズ、巨人─中日戦で起こった乱闘劇で、巨人・金田正一、柳田利夫が退場した話を書いた。
 4月16日、今度は中日の本拠地中日球場での中日─巨人戦だ。高松宮ご夫妻が試合観戦することもあり、球場警備には、管轄の中川署員と県機動隊合わせて120人、さらに私服警官20人をスタンド各地に配置。物々しい雰囲気となった。

 警察の要望もあったようだが、試合開始5分前には、巨人から川上哲治監督、金田、柳田、中日から西沢道夫監督、事件の発端となったビーン・ボールを投げた柿本実が現れ、笑顔で手打ちの握手。観客は一斉に拍手をし、歓声を送った。

 試合は5対4で中日の勝利。やれやれと両軍関係者もホッとしたが、昭和の野球はそう簡単に終わらない。
 帰りの巨人バスを500人ほどの中日ファンが取り囲み、警官隊と小競り合い。
「金田を出せ、二度と投げられないようにしてやる」
 と罵声が飛んだ。結局、選手はバスでは帰れず、別出口からタクシーで宿舎に戻ることになった。

 前後するが、巨人は14、15日と甲子園での対阪神2連戦に連敗。初戦で川上監督は1点を追う9回表に金田を代打に送り、相手が左腕・権藤正利に代わるとひっこめたシーンがあった。
 もともと川上監督に対し、
「ワシは川上が戦前、巨人に入団したときから監督をやっていた。あいつを投手から打者に変え、手をとって教えた」
 と完全に上目線の阪神・藤本定義監督が試合後、ここぞとばかり川上采配を責めた。
「あれは愚の骨頂だよ。金田は確かによく打つ。代打でも十分通用するだろう。しかし、あそこで金田がヒットを打っても同点、ホームランを打たんと逆転はない。その確率と金田が死球を食らう確率がどちらが高いか。もしワシがピッチャーなら代打で金田が出てきたらぶつけるよ。そうしたら巨人は苦境に立つ。ワシは川上にいろいろ教えたが、投手、それもエースを開幕早々、ヒットで同点にしかならん場面で使えとは教えんかったはずだ」
 一方、川上監督はそれを聞き、
「はあ、そうですか。藤本さんはそう言われてますか」
 とだけ言い、苦笑いしていた。

 巨人・王貞治がレコード(死語か?)デビュー。5月5日に発売されたのは「白いボール」。女優・本間千代子とのデュエットだった。

 では、また月曜日に。

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