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「入籍=結婚」イメージなぜ定着?羽生結弦発表で注目 厳密には違う意味だが…弁護士に聞いた背景

J-CASTニュース

五輪2大会連続金メダリストでプロフィギュアスケーターの羽生結弦さんが2023年8月4日にツイッター(X)で「入籍」を報告したが、文書の中で「結婚」という言葉は使用しなかった。ツイッター上では「入籍」であって「結婚」とは限らないとする声もファンからあがっている。

実際のところ「入籍」と「結婚」は意味が違うのか。なぜ「入籍」を「結婚」の意味で使うようになったのか。J-CASTニュースは弁護士法人ユア・エースの正木絢生代表弁護士に見解を尋ねた。

「入籍」と「結婚」は、厳密には意味が異なる

羽生さんは「いつも応援してくださっている皆様へ」として、直筆署名入りの文書を公開。「この度、私、羽生結弦は入籍する運びとなりました」「これまでの24年間、スケートと共に生きてきました」「今日も、人生をかけて『羽生結弦』のスケートを深め、一生懸命に努力を続け、進化していきます」などと報告した。

広辞苑(第七版)によると、「入籍」は「戸籍の手続で、ある者が既存のある戸籍に入ること。旧制で、入家のこと」とあり、必ずしも結婚を指していない。

「入籍」と「結婚」は意味が違うのか。10日、取材に応じた正木弁護士によると、「入籍」と「結婚」は、同じような場面でよく使われるが、厳密には意味が異なる。

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「結婚」は、夫婦になることを意味するという。「民法上、結婚することを合意しているパートナー同士が『婚姻届』を役所に提出し、法律上の夫婦となる手続」だという。

それに対して「入籍」は、既に存在している戸籍に、違う戸籍にいた人が入ることを意味しているとする。「『入籍届』を提出する民法上の手続きは、父母の離婚・養子縁組・養子離縁などによって父母と別戸籍になった子を父母(父または母)と同じ戸籍に入れるための届出」とする。

子どものいる人が再婚する際、自分の戸籍に入っていた子どもを相手の戸籍に入れる場合や、離婚した際に子どもの戸籍を父親の戸籍から母親の戸籍に移す場合などに行われる手続だという。

「離婚歴のある男性の戸籍に初婚の女性が入って男性の氏を名乗る場合や、未婚のうちから親の戸籍を出て自分の戸籍を作った人と結婚してそこに籍を入れた場合なども『入籍』にあたります」

「結婚した際に『入籍しました』といっても特段問題はない」

では、「入籍」を「結婚」の意味で使うのは誤りなのか。正木弁護士は、一度も結婚したことがない人は親の戸籍に入っていることが一般的で、「婚姻届」を出してこれまでの戸籍から除籍し、2人だけの新しい戸籍を作ることが今日ではほとんどだという。

「正確に言えば二人で新しい戸籍を作る結婚は、『入籍』ではありません。しかし現代の日本では、『結婚=入籍』という概念が浸透していますし、未婚の方から『入籍しました』という報告を受けて『結婚した』以外の発想をする方は少ないのではないかと思います。言葉の持つ意味とは、一般的にどういう意味として理解されるかが重要なのですから、結婚した際に『入籍しました』といっても特段問題はないでしょう」

いつから、なぜ「入籍」を「結婚」の意味で使うようになったのか尋ねると、「日本古来の家父長制度が影響しているといわれています」とした。正木弁護士によると、家父長制度とは「明治民法に定められた家族制度で、『家』を単位として一つの戸籍を作り、その長である家長に強い権限を与えていた制度」だ。当時は「家」を存続させることが一番重要なことで、女性は結婚すると男性の「家」である戸籍に入籍するのが一般的だったという。

「そのため『入籍しました』という言葉に結婚の意味が含まれていたといいます。こうした名残が現代の日本にも浸透しているのではないでしょうか。有名人がマスコミに結婚発表する際に『入籍しました』という言葉を使うところをよく目にしますので、そんな事情も、現代においても『入籍=結婚』のイメージを定着させているのかと思います」

羽生さんが「結婚」の意味で「入籍」と表現したことにはどのような意義があるか尋ねると、次のように話す。

「羽生結弦さんは、競技者として活躍されていた時代から、非常に礼儀正しく周囲に気を使われる方として有名です。時折お召しになる羽織袴がお似合いになるように古典的とも古風とも思える面もお持ちかもしれません。また、羽生さんは常にご自身のファンの気持ちを大切にされる方とも聞いております。
そのような羽生さんですから、これからお相手の方と一つの家族としてしっかり歩んでいくという決意を少し古風なたった一言のメッセージで伝えてくださったように感じます。なにより『結婚』を心より祝いながらも『結婚』に少なからぬショックを受け倒れそうになっているファンの気持ちを気遣われたのかもしれません。
真相はわかりませんが、近年まれにみる素晴らしいご結婚報告であったと思います」
 
   

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