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『インディ・ジョーンズ』の世界へ誘う巨匠 ジョン・ウィリアムズの音楽 映画史に残る名曲誕生秘話、最新作での“変化”も

Real Sound

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル (オリジナル・サウンドトラック)』

 『インディ・ジョーンズ』シリーズの最新作にして最終作、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(2023年)が、6月30日より公開。これまで監督を務めてきたスティーヴン・スピルバーグは製作総指揮に回り、アドバイザー的な役割に。監督として、およそ40年続いてきた偉大なフランチャイズのバトンを受け継いだのは、ジェームズ・マンゴールド。『17歳のカルテ』(1999年)や『フォードvsフェラーリ』(2019年)で知られる実力派である。

 スピルバーグが降りたことで、撮影監督 ヤヌス・カミンスキー、編集 マイケル・カーンといった常連スタッフも軒並み降板する。ただひとり、作曲のジョン・ウィリアムズを除いて。アカデミー賞5回、グラミー賞25回受賞を誇る映画音楽界の巨人は、最後まで『インディ・ジョーンズ』シリーズと並走し続けたのである。

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 『スター・ウォーズ』(1977年)のオープニングを飾る壮麗なテーマ曲と同じく、『インディ・ジョーンズ』のメインテーマである「レイダース・マーチ」もまた、映画史に残る大名曲といっていいだろう。“ダッダダダ、ダッダダダ~”というマーチのリズムに合わせて、あの有名なテーマが金管楽器で吹かれた瞬間に、聴いているこちらは興奮MAX状態。トップギアでテンションがアガりまくりだ。

 非常にシンプルで力強い響きを持つこのテーマの作曲に、ジョン・ウィリアムズは数週間を要した。そして、でき上がった2つのパターンをスピルバーグに聴かせたところ、「両方とも使えばいいじゃないか」ということで、ひとつをメインテーマに、ひとつをブリッジに使ったのだという(※1)。スピルバーグのその一言がなければ、「レイダース・マーチ」はだいぶ印象の異なるものになっていたかもしれない。

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 映画音楽の世界では、特定の人物や状況に主題をつけるライトモチーフと呼ばれる手法があるが、「レイダース・マーチ」は映画の主題曲であると同時に、考古学者にして冒険家 インディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)自身のテーマでもある。彼が馬に飛び乗ったり、カーチェイスをするたびに、何度もこのテーマが参照され、我々は強烈にインディというキャラクターを意識することになる。映画音楽の王道的テクニックだが、ジョン・ウィリアムズはそのセンスがずば抜けている。彼はライトモチーフ使いの名手なのだ。

 またジョン・ウィリアムズは、音を跳ね上げたり、下げたりすることでダイナミズムを生み出すテクニックにも長けている。『スター・ウォーズ』のメインテーマは、いきなり音を5度跳躍させることで、一気に我々を別宇宙へと誘った。この「レイダース・マーチ」も、サビ部分で激しい音の跳躍をインサートさせることで、我々をロマンの香り漂う1930年代へと誘う。観客を異世界へと連れて行くフックとして、彼の音楽が大きな役割を果たしているのである。

『運命のダイヤル』、過去作とは作風が異なる“2つの理由”

 そして、筆者は今回の『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』のサウンドトラックを聴いて、これまでのシリーズとは異なる手触りを感じている。おそらく、その理由は2つある。1つは、本作の舞台が1930年代ではなく1960年代であること。もう1つは、スピルバーグからジェームズ・マンゴールドにバトンタッチされたことによる、作風の変化だ。

 ジョン・ウィリアムズはインタビューで、「(『インディ・ジョーンズ』シリーズは)オーケストラがアクションと一緒に疾走するような、現代の映画ではあまり見られないようなスタイルです」(※2)とコメントしている。もともとこの映画は、1910年代~20年代に流行したような、“ヒーローが悪党と戦ってヒロインを救出する”という連続活劇に大きなインスパイアを受けている。シリーズ第1作『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1981年)が公開された時点で、かなりアナクロな作品だったのだ。

 『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』は1936年、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』は1935年、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』は1938年と、最初の3作は1930年代が舞台(『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』は1957年)。ナチスとアークを巡って戦ったり、サギー教の親玉とサンカラ・ストーンを巡って戦ったり、プロット自体もだいぶ荒唐無稽。だからこそ、古き良き冒険活劇としてややカリカチュアされた表現も可能となる。ナチスは軍国主義の“悪の集団”としてダークな色彩のオーケストラで奏でられ、インドに行けばシタールが使われる。ちょっと恥ずかしいくらいの、サウンドとしての分かりやすさ。それこそ、ジョン・ウィリアムズが『インディ・ジョーンズ』シリーズで実践した手法だったのである。

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