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横浜高でメンバー外経験も…本塁打王狙える「新庄野球の申し子」は

週刊ベースボールONLINE

リーグトップの11本塁打



長打力を誇るバッティングが魅力の万波

 日本ハムで覚醒の時を迎えている長距離砲がいる。リーグトップの11本塁打をマークしている万波中正だ。

 抜群の身体能力を誇るプレースタイルは、新庄剛志監督の現役時代を彷彿とさせる。俊足を生かした外野の守備範囲は広く、強肩も折り紙付きだ。打撃も飛距離はチームトップクラス。新庄監督もその素質を認める。昨年は自己最多の100試合に出場し、打率.203、14本塁打、40打点をマーク。自身初の2ケタ本塁打を記録したが、課題は確実性だった。ボール球に手を出す場面が目立ち、スランプに入ると修正に時間がかかる。314打席で112三振は多過ぎる。スタメンに定着できない要因だった。

 だが、今年は成長の跡を見せている。56試合出場で16四球を選び、昨年の12四球を早くも超えた。ボール球になる変化球にバットが止まり、ストライクゾーンの球を振り抜く。好球必打を徹底していることで確実性が上がり、スランプも短い。打率.279はチームトップの数字だ。5月30日のヤクルト戦(エスコンF)では、4回に両リーグ2ケタ本塁打一番乗りとなる10号ソロを逆方向の右翼席に運ぶと、6回に自身初の2打席連続弾。11号決勝ソロを左中間席に放り込んだ。5月の月間成績は25試合出場で打率.267、7本塁打、15打点。自身初の月間MVPを受賞した。

 スポーツ紙デスクは、「本塁打を打つコツをつかんだように感じます。相手バッテリーも対策をしてくるので簡単ではないと思いますが、30本塁打をクリアできる可能性を秘めている。5月下旬から四番に座っていますが、新庄野球を体現している選手だと思います」と評価する。

同学年にはスター選手


 万波は2000年生まれの23歳。同学年でドラフト1位指名されたスター選手は、大阪桐蔭高で2年春、3年春夏に全国制覇を飾った根尾昂(中日)、藤原恭大(ロッテ)、金足農高のエースで3年夏に準優勝の立役者となったチームメートの吉田輝星だった。名門・横浜高の万波は能力で彼らに劣っているわけではない。実際に高校入学して間もなく公式戦で長打を連発し、「スーパー1年生」と称された。1年秋から四番に座ったが、3年になって深刻な打撃不振に。春の関東大会でベンチ入りのメンバーから外れることもあった。打撃の再現性が課題だったが、高校通算40本塁打と潜在能力の高さを買った日本ハムにドラフト4位で指名された。

 同期入団の吉田、ドラフト2位の野村佑希、ドラフト5位の柿木蓮と甲子園で対戦している。仲間でありライバルでもある存在と切磋琢磨する環境で、昨年に就任した新庄監督との出会いが素質開花のきっかけになる。

指揮官からのアドバイス


 万波は昨年3月に週刊ベースボールのインタビューで、こう語っている。

「BOSSからは『スッと立ってそのまま打てばいいじゃん』と言われました。重心が下がれば下がるほど、低めのボールに対して目線が近くなる。『だから、低めのボール球も打てると思って振っちゃうんでしょう。上体を上げれば、ボールが遠く見えるから必然的に振らなくなるよね』と。なるほどと思いました。あとはオフに行ったトレーニングで体を変える試みが結果につながっていると思います。根本的なフィジカルの面が成長して、同時に技術力も上がったと感じています」

「僕は振りにいくとき“お腹が抜けて”、体の面が早く投手に向いてしまうクセがありました。持っている力がボールに伝わりづらくて、今一つ打球に力強さがなかった。それを改善するための体幹トレーニングをやりました。呼吸法もすごく下手くそだったんですけど、腹式呼吸などもちゃんと覚えて。スイングしたときにフワッと力が抜けずに、瞬間にパンッと力が発揮できるイメージですね」

 自身の言葉で理路整然と話すクレバーな選手は、新庄監督の指導を受けて飛躍的に成長している。勝負の夏場に向け、どんな活躍を見せてくれるか。

写真=BBM
 
   

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