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『らんまん』前原滉&前原瑞樹の“ダブル前原”がアツい 万太郎と同じ道を志す生涯の友に

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『らんまん』写真提供=NHK

 「朝ドラ」こと朝の連続テレビ小説というものは、やはりその物語を牽引するのに相応しい魅力に溢れた俳優が主演を務めるものだ。放送中の『らんまん』(NHK総合)では、神木隆之介である。人生のほとんどを俳優として過ごしてきた彼ならば、国民的ドラマの看板を背負う者として申し分ないだろう。しかしやはり、主演俳優の力だけではドラマは成立しない。そこには、新人からベテランまでの多くの者の支えがある。いま注目すべきなのはもちろん、主人公の“同志”を演じる前原滉と前原瑞樹の“ダブル前原”である。

参考:要潤が感じた神木隆之介の成長 『らんまん』田邊教授役は「どんどん裏切って行く方向」

 神木演じる主人公・槙野万太郎が植物学者の道を歩む姿を描く本作において、2人の前原が演じているのは万太郎の研究仲間だ。前原滉が演じる波多野泰久と前原瑞樹が演じる藤丸次郎はともに東京大学の2年生。小学校を中退していながら東京大学に出入りする万太郎のことを快く思わない者もまだいるが、彼ら2人はいち早く万太郎に興味を抱き、心を開いた。いまは植物学雑誌を作ろうと盛り上がっているところで、これからこの三者を中心とした青春模様が展開していきそうである。

 そんな重要な役どころを務めている前原滉と前原瑞樹。ともに若きバイプレイヤーとして活躍する、引く手数多の存在だ。映画にドラマにと、「あちこちで見かける」という方は少なくないだろう。すでに2人とも今作以前に朝ドラの現場は経験済みで、前原滉は『まんぷく』(NHK総合)にて当時大きな注目を集めたあの“塩軍団”のメンバーの1人、小松原完二役を演じていたことがいまだに記憶に新しく、前原瑞樹は前作『舞いあがれ!』(NHK総合)の終盤の方に椿山修役で登場しては盛り上げ役に。2作連続での朝ドラ出演となった。ちなみに放送中のドラマでいえば、前者は日曜劇場『ラストマン―全盲の捜査官―』(TBS系)に、後者は『風間公親-教場0-』(フジテレビ系)にゲストとしてそれぞれ登場している。

 映画作品での活躍に関しては、前原滉は『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(2023年)で物語の“掴みの部分”を担っており、前原瑞樹は『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』(2023年)にて前作に引き続き主人公のバイト先の店長役をいやみったらしく演じている。どちらも出演しているシーンは少ない。けれども、前者はこの作品でこれから何が起こるのかを予感させる役どころを、後者は作品世界において主人公がどのような人物であるのかを示す役どころを、それぞれまっとうしている。出番が短いからこそ、観客へと端的に情報を伝える表現力が要されるポジションだ。当然ながら誰にでもできるものでは決してない。

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 2人について“若きバイプレイヤー”と先述したが、主演作だってある。前原滉は『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』(2021年)と『彼女来来』(2021年)、『散歩時間~その日を待ちながら~』(2022年)で主演。いずれも作品の規模は大きくないが、良質な日本映画である。いっぽう、劇団青年団に所属する前原瑞樹は、自身の実体験をもとにした『アボカドの固さ』(2020年)にて“前原瑞樹役”で主演。演劇領域にしろ映画領域にしろ、彼と繰り返し何かを作っていこうという人々の存在があるのがそのキャリアを俯瞰すれば分かる。この映画の作風や脇を固める共演者陣の並びから、彼が一人の俳優としてどのように信頼されているのかが見えてくるのだ。

 さて、ここでまた『らんまん』に話を戻そう。朝ドラは主人公の長い人生を描いているため、場合によっては歩む道が変わっていくことだってある。しかし、万太郎はこれからずっと植物学者の道を歩んでいく。であれば、同じ道を志す波多野泰久と藤丸次郎は生涯の友になっていくのかもしれない。実に頼もしい2人だ。これを演じる前原滉と前原瑞樹は本作を機にさらに根を広げ、上へ上へと伸びていくのではないだろうか。

(文=折田侑駿)

 
   

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