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佐々木朗希の1位指名ドラフトで、他球団をして「一番欲しい投手」と言わしめた左腕は

週刊ベースボールONLINE

外れ外れ1位で入団



今季も先発陣の中心として順調に白星を重ねている宮城

 首位を走るオリックス。その原動力になっているのが左腕エース・宮城大弥だ。

 今季8試合登板で5勝1敗、防御率1.68。自身3度目の完封勝利を飾った6月4日の中日戦(バンテリン)は圧巻だった。侍ジャパンで共闘した高橋宏斗と手に汗握る投手戦で、140キロ台後半の直球、スライダー、チェンジアップ、フォーク、80キロ台のスローカーブと多彩な変化球を織り交ぜる。すべての球種で投球フォームが変わらず、制球に狂いがない。打者のタイミングを外す緩急自在の投球は芸術的だった。5回二死まで走者を1人も出さない完全投球。福永裕基に内野安打を許したが、その後も淡々とアウトを積み重ねる。10奪三振、無四球で二塁すら踏ませない快投で5勝目をマーク。チームも首位に返り咲いた。

 宮城は2001年生まれの21歳。同学年は黄金世代で、佐々木朗希(ロッテ)、奥川恭伸(ヤクルト)、石川昂弥(中日)、西純矢(阪神)、森敬斗(DeNA)と宮城を含めて6人がドラフト1位で指名された。ドラフトでは佐々木朗に4球団、奥川に3球団、石川に3球団が1位指名で競合。森はDeNAが単独指名だった。宮城が「外れ外れ1位」であることはあまり知られていない。オリックスは石川を指名したが抽選で外れ、「外れ1位」で指名した河野竜生(日本ハム)も縁がなかった。3度目の1位指名で宮城に白羽の矢を立てた。

投げる体力のある左腕


 入団してからの活躍ぶりは期待以上だろう。高卒2年目の21年に先発ローテーションに定着して13勝をマーク。新人王を獲得し、25年ぶりとなるリーグ優勝の立役者となった。昨年も2年連続2ケタ勝利の11勝をマークしてリーグ連覇に貢献。宮城の凄みは投球技術だけでなく、体が頑丈なことだ。21年に147回、昨年は148回1/3を投げている。「無事之名馬」のことわざを体現するように、肩、肘の故障がなく投げ続けられるのは一流投手の証と言える。今年3月のWBCでは侍ジャパンに選出され、チームメートの山本由伸、宇田川優希、山崎颯一郎と共に世界一に貢献した。

 他球団のスカウトは、「興南高のときから投げる体力がある選手で、野球センスも抜群だった。ただ体が大きくないのでプロで一本立ちするのは3、4年かかると感じていました。先発ローテーションで安定して1年間投げられる投手はチームにとって一番ありがたい。佐々木朗希はもちろん誰もが認める素晴らしい投手ですが、先発投手でイニングイーターとしての能力を考えると宮城が一番欲しい投手ですね」と高く評価する。

後輩たちの良きお手本


 若くして左腕エースとして活躍している姿は、後輩たちの良きお手本だ。今季頭角を現した1学年下の本格派右腕・山下舜平大は今月に宮城と週刊ベースボールの対談で、敬意の念を語っている。

「若さって良いこともあるけど、まだまだだなって思うことがある。今の年齢で一軍で投げられることに『喜び』『ありがたさ』を感じますが、まだまだやることがいっぱいあるなって、投げるたびに感じることなんです。一軍で投げる以上は年齢は関係ないですし、若いからって許されることはない。だから経験を積んでいきたいし、これからの時間をしっかり使っていかないと、と思うんです。『年齢で許されることがない』と思えるのも、宮城さんの存在も大きいです」

「宮城さんは自分が入団した時点で、すでに一軍で投げられていたので。追いかける存在でしたし、年齢で考えれば『自分でもできる』と思わせてくれた存在だし『できるようにならないと』と思わせてくれたんですよ」
 
 今年は投手タイトルも十分に狙える。山下が宮城の背中を追いかけるように、宮城も憧れの先輩・山本由伸を凌駕する成績を残せば、リーグ3連覇にグッと近づく。

写真=BBM
 
   

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