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ジャッジのあの一発もひょっとして…?最新機器を使った「不正すれすれの球種伝達」が横行と米老舗メディアが報道<SLUGGER>

THE DIGEST

 果たしてこれは「不正行為」と呼べるのだろうか。

 アメリカの老舗メディア『スポーツ・イラストレイテッド』電子版は6月5日付の記事で、「キナトラックス」と呼ばれるマルチカメラシステムを使った球種伝達が横行していると報じた。

 キネトラックスは、球場に設置された最大16台ものカメラを使ってリアルタイムで3Dモーションキャプチャーデータを提供。カメラの半分は投手、もう半分は打者に向けられ、あらゆる角度からデータを採取する。現在、MLBの15球場で使われているという。

 これによって、投手の足の着地具合やボールを投げる際の前腕の回内運動など、肉眼では識別しにくい微妙な動作の変化が瞬時にデータ化される。それだけではない。速球と変化球を投げる際の微妙な違いも分かってしまう。今では、機械学習アルゴリズムを駆使して相手投手を丸裸にしようと躍起になっているチームもあるという。

 そうして相手の癖を解明した上で、投手がモーションに入った瞬間、三塁コーチか一塁コーチがあらかじめ決められたサインで打者に速球が来るか変化球が来るかを知らせる、という行為が横行しているというのだ。 奇しくも先日、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)がブルージェイズ戦でホームランを打つ直前にしきりに一塁コーチの方向を見ていたことが話題となった。ヤンキースがこうしたサイン伝達を行っていたかどうかはさておき、相手のブルージェイズが疑いの目を向けたのも、それなりの根拠があったということだろう。

 肉眼で相手投手の癖を見抜き、それを味方選手に伝えることは、MLBでは不正行為は見なされていない。だが、最新のテクノロジーを使って相手投手の癖を見抜くことは果たして許されるのか。記事では、「このやり方はフェアとは思えない」との某球団幹部のコメントを紹介している。

 かつてドジャースの監督を務めたレオ・ドローチャーは「お人好しはビリで終わる(Nice Guys Finish Last)」という格言を残したが、メジャーリーグでは勝利のために手段を選ばないという考え方が今も根強く残っている。

 アップルウォッチを使ったサイン伝達や投手の粘着物質使用など、近年もルールの網の目をかいくぐった不正行為が横行していた。今回の一件に対して、MLB機構は何らかの対策を講じるのだろうか。

構成●SLUGGER編集部
 
   

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