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『王様に捧ぐ薬指』東郷と静らそれぞれの“親子愛” 松嶋菜々子のラスボス感が滲み出る

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 また、綾華の両親である金太郎(塚地武雅)と桃子(りょう)も、家族のためにした契約結婚の事実を知り「お父さんたちはお父さんたちでやっていける。だから、これからはお前自身の家族を作れ」と諭す。綾華ならきっと自分で幸せをつかめるはずだと信じて、あえて実家から出るようにと促したのも、金太郎と桃子の愛。

 家族への思いは大切だ。だが、自分自身で人生を選んでいくことも、それ以上に大事なことだ。愛しているからこそ「親離れ」「子離れ」しなければならない時が来るということ。そして、それはかつて綾華や静が人が傷つくことを恐れて拒むこととはまた違う、温かな距離の取り方なのだ。

 しかし、静には綾華のような温かな距離の取り方を教えてくれる人はいなかったのだろう。実の子のように愛情をかけて育てたつもりが東郷を支配していく形になってしまうし、「母さん」と慕ってくれる新には「何を企んでいるのか知らないけれど」などと言って手切れ金を用意してしまう。そんな器用に愛せない静が、心を溶かす日は来るのだろうか。

 「あなたも家族を大切に。傷つけないであげて」と意味深な言葉を綾華に投げかけた静。そのセリフが持つ本当の意味とは何なのだろう。不安な眼差しで店を見る金太郎の姿から察するに、きっとまた一波乱起きるのは間違いない。さらに、予告編では東郷から冷たく突き放される綾華の姿も。そして静の微笑みもラスボス感満載だ。一見すると恵まれているのに愛に不器用な人たちの物語は、いよいよクライマックスへと突入する。

(文=佐藤結衣)

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