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【らんまん】「土佐っぽ」よばわりにも笑顔の万太郎、世間知らずぶりを露呈か

アサジョ

 どうやら植物学以外のことには本当に興味がないようだ。

 6月6日放送のNHK連続テレビ小説「らんまん」第47回では、主人公の万太郎(神木隆之介)が石板印刷を手掛ける大畑印刷所で働くことに。工場長の義平(奥田瑛二)から、大学に通っていることを紹介された。その場面に万太郎の世間知らずぶりが表れていたという。

 万太郎が「学びとうて通うちょります」と自己紹介すると、職人の前田(阿部亮平)は「なんだよ…土佐っぽめ」と吐き捨てるように反応。それでも万太郎はニコニコしたままだ。その場面に違和感を抱く視聴者も少なくなかったのである。

「前田が口にした『土佐っぽ』とは、土佐出身者を小馬鹿にする言い方。ほかにも水戸っぽや会津っぽ、薩摩っぽといった表現がありました。御一新(明治維新)後には旧幕府軍側だった地方を見下す風潮があったほか、新政府の要職を占めた薩長土肥の旧四藩についても、東京では『田舎者が偉そうにしている』と敬遠されていたのです。そのため土佐出身を名乗り、東京大学にも通っているという万太郎に対し、前田が不快感を抱くのも無理はありませんでした」(週刊誌記者)

 ここで問題なのは悪態をついた前田のほうではなく、にこにこと聞き流していた万太郎のほうだ。いくら弟子入りさせていただく身とはいえ、この日初めて会ったばかりの前田から「土佐っぽ」呼ばわりされた日には、少しはイヤな顔を見せてもおかしくはない。

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 だが万太郎は全く表情を変えなかったばかりか、長屋に戻ってからも土佐から自分についてきた相棒の竹雄(志尊淳)に、土佐っぽ呼ばわりされたことについて愚痴ったりもしなかったのである。

「そんな万太郎の態度を巡り、『土佐っぽ』が自分に向けられた蔑称だとは気づいていなかった可能性を指摘する視聴者もいるようです。本作ではこれまでのところ、土佐弁丸出しでしゃべる万太郎に対して誰も『えっ?』と聞き返したりはしません。テレビもラジオも普及していない時代に東京の人々が土佐弁を理解できるとはなんとも不自然な話ですが、その設定のせいか万太郎は、自分が田舎者であることを思い知らされる場面もないのです。そのため自分が見下されていると感じることもなく、『土佐っぽ』という蔑称に悪意がこもっていることにすら気づいていないのではないでしょうか」(前出・週刊誌記者)

 前々作の「ちむどんどん」では沖縄出身のヒロイン暢子(黒島結奈)が、東京で沖縄弁をいじられる場面も描かれていた。現在再放送中の「あまちゃん」では、同日に放送された第56回にて東京志向のユイ(橋本愛)が「東京いってアイドルになりたいんです!こんな田舎で終わりたくないんです」と絶叫。こちらは地方在住者が自身の田舎を呪っている様子を描いていたのである。

 このように他の朝ドラでは東京と地方との対比を明確に描いている。それに対して「らんまん」では土佐を大きなフックとしながらも、万太郎が東京で土佐出身を恥じる場面が一切描かれていないのだ。

「造り酒屋の息子として不自由なく育った万太郎は、上京後も金に困った様子はなく、金銭面では周りの人たちよりも優位な状況にあります。なにしろ印刷技術を学ぶために大畑印刷所に押しかけ入門する際にも『教授料は払います』と言い張っていましたからね。そんなぼんぼん育ちゆえに、自分が見下されていると感じることもないのでしょう。それを天真らんまんと見るか、それとも世間知らずと受け止めるのか。その違いは今後の展開次第なのかもしれません」(前出・週刊誌記者)

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